白く見えさえすれば白じゃなくても白なんです/筆塗りに最適なシタデルの白い塗料。

 むかしむかし(そんなにむかしでもない)シタデルカラーにはセラマイトホワイトというすごい塗料がありました。筆塗りイッパツで白が発色するのでめっちゃ重宝したんですが、ややムラが出やすく、放っておくと瓶の中でグミみたいに固まっていることがあったりして、なかなか扱いの難しいヤツでした。さすがのシタデルカラーと言えども「白の塗料はむずいなー」と思ってるみたい。

 で、いまこの色は廃盤になり、かわりにコラックスホワイトというのが販売されております。上の写真を見れば分かると思うけど、セラマイトホワイトと比べると「ちょっとだけグレー」なのだ(そのおかげで隠蔽力がやや高くなった)。で、成分が調整されてムラになりにくくなったついでに、なんかちょっとだけ瓶の中で固まりにくくなった。うれしい。

 ツヤ消し吹いた黒いプラスチックの上にコラックスホワイトを塗る。「薄く塗り重ねる」とかチンケなことを言わず、思い切ってすくった塗料をボテッと乗せて筆の先で塗り拡げる感覚のほうがいいぞ。いきなりキレイに発色してすごい。乾燥にはすこーしだけ時間がかかるので、ムラや盛り上がりができたからといって返し筆(乾燥していない部分を筆でイジること)をしないように。ちょっとだけ乾燥時間を取ってから2度ほど重ねれば、美しく塗れます。このへんはフツウの塗料と同じじゃ。

 このコラックスホワイト、塗っている本人は「うーん、グレーだな」と思うかもしれません。しかしこれを誰かに見せて「何色ですか」と聞けば、10人中10人が「白」と答えると思う。色というのは相対的なもの。周りの色とのコントラストとか、写真に撮ったときの画像の明るさとかで全然変わります。白だと思うかどうかが大事。「白を発色させたいんだ!」と言って、本当に白を塗るとなかなか発色しづらい。

 これはテクニックや塗料の性能云々というより、そもそも白く見える顔料というのが透けやすく均一に広がりにくいからなので、化学の問題なのです……。カンタンな解決策として、「割り切る」というのも結構大事。とはいえもっと白くしたいんだ!という人はどうすればいいか。

 より純度が高いけど隠蔽力が低いホワイトスカーという塗料があります。これは正直「すごく白い!」という色に見えますが、均一に塗るのがめっちゃ難しいので、どちらかと言うと面に塗るよりエッジに乗せて「ここは白なんですよ〜!」という主張に使うのがいいと思います。

 腹や太ももはコラックスホワイトの塗りっぱなしです。他の部分の白(プラスチックの色)よりもほんの少しだけ沈んで見えるけど、50cmくらい離れたらほとんど見分けがつきません。「鑑賞距離」と「周りの色との差」を考えながら、あまり追い込まないで「うん、白に見える!オッケー!」とローラみたいな気持ちで楽しめるようになると白の塗装も怖くなくなるかもね。そんじゃまた。

<a href="/author/kalapattar/">からぱた</a>
からぱた

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。