
ちっちゃいのによく動いて遊び甲斐抜群! 中国のメーカー、クリエイティブ・フィールドの「NUMBER57 アーマードパペット 工業三式」は組み立てて遊ぶアクションフィギュアとしては理想的なキットです。特に普段ヘキサギアや30MMで遊んでいる人は、ビシッとツボにハマる内容なんではないでしょうか。


このアーマードパペットシリーズは、1/24スケールの人型ロボットプラモシリーズ。工業三式はその第一弾で、名前の通りレイバーというか、土木っぽい見た目と色となっています。1/24なんで完成すれば手のひらサイズなんですが、箱に書いてあるパーツ点数は147個。けっこうな数で箱もこのサイズのキットにしては厚めです。





中国のキットではありますが、説明書は完全日本語対応で組み立てにつまるところはゼロ。ていうか、説明書のフォーマットが完全に最近のガンプラなので、ガンプラが組めれば問題なくいけちゃう感じ。部品の嵌合もいいしはめ合わせた時のギシギシ感もゼロ。とにかくパーツがちっちゃいというところにだけ注意すれば、特に問題なく組み立てられちゃいます。

アーマードパペットシリーズは、機体の芯になる「コア素体」の上に機体それぞれのオプションパーツや装甲を取り付けて完成させるという形式のキット。この小ささでけっこう複雑な構造にトライしてて頭が下がります。なるほど、だからパーツ点数が多かったのね……。なんせちっちゃいので、「コの字型になっている膝の関節に板状の脛から下のパーツを挟み込み、ヒンジ部分にピンを差し込む」というあんまりプラモデルでは見慣れない関節の組み立て方も頻出。こういう関節の作りって、どっちかというとオモチャでよく見るやつだよな~。

説明書通りに部品をくっつけていくこと30分あまり。スルッとコア素体が完成しました。ポリキャップとかは使わず、樹脂の摩擦だけで関節を保持するイマドキのプラモデルの可動方法ですが、無理をしてる感じは全くなし。ちょうどいい関節の粘りなので動かしてて楽しいです。そしてこれがもうものすごくよく動く……。あぐらをかいたり正座したりという「可動するプラモのレビューでよく見るやつ」は一通り全部こなすし、胴体の中央と首関節の根元が大きく前後にスイングするのでどんな動作をとらせても自然にポーズが決まります。こんなにちっちゃいのに、よくできてるな~!



で、この素体の上に各種装備や装甲をくっつけていきます。頭と両腕の肩から下、それと足首は素体からとっておき、新しく作ったペンチ状の腕などを取り付ければ、工業三式が完成! 体格も素体から一回り大きくなって、よりゴツい雰囲気に。「工業用ですよ!」という記号のペンチっぽい腕以外はあんまり個性が強めの部品がくっついてないところに、このキットを作った人のわかり手感を感じますね。



左右の腕は大きく伸ばすことが可能! ペンチ部分も保持力が結構強いので、デカい部品を掴むポーズもけっこう余裕でいけちゃいます。そしてこのキットには「アンリミテッドベース」と、オマケの意味ありげな円筒状パーツも付属! すごくサービス精神旺盛なプラモデルというか、「こういうキットにはこういうオプションがほしいよな!?」という熱気を感じます。普通に工業三式としてのガワを被せてもいいんですが、コア素体を使って自分だけのアーマードパペットを作ってもよさそう。ディテールの作りはニール・ブロムカンプというかクリスチャン・ピアースというかWETAというか……というニュアンスなので、1/24チャッピーとか無理やり作っても面白そうかも。というわけで、メカフェチ諸氏には強くオススメしておきたい所存であります。