内藤あんもの「棚からひとつかみ」/謎のメーカー”HOBBY2000”に迫る

▲聞き慣れないよね、「ホビー2000」……。

 日本のメーカーでは意外と少ないんですが、海外メーカーでは結構な頻度で行われてる「他社のキットを自社パッケージで販売する」商品があります。”OEM仕様”なんて呼ばれたりしてますが、パッケージだけではなく説明書やデカールなんかも新規に起こされたりしててバリエーションキットとして嬉しい仕様だったりもするのだ。

 とくに海外メーカーのキットが日本版パッケージになって登場すると説明書も日本語になってわかりやすくなってて助かるやつです。国内で有名なのはタミヤがイタレリキットを自社ブランドに合わせて販売してるシリーズでしょうか。俗に「タミレリ」なんて呼ばれてたりもします。

 そんなOEM製品ですが、模型店で純白に輝く綺麗なBOXで存在感をアピールしている「ホビー2000(HOBBY2000)」のキットを見てみましょう。

▲中身はシンプルにこんな感じ。第二次大戦時のフィンランド軍国籍マークは「ハカリスティ」と呼ばれ、ナチスドイツのカギ十字とは別モノであります。

 今回ひとつかみしてみたのはブリュースターバッファロー。正確にはフィンランドへ輸出された陸上型のB-239であり米軍の艦載機版F2Aとは色々異なっており本家米軍や他国に輸出された機体はあんまり目立った活躍はしてませんがフィンランド軍では輸出用にデチューンされた当機が「空の真珠」と呼ばれ圧倒的戦力差を持つソヴィエト空軍相手に獅子奮迅の大活躍をしたという話は大変面白いのでぜひ調べてみてください(ここまで早口で一息でお願いします)。

▲謎の安心感「MADE IN JAPAN」の文字が。

 そう、冒頭で触れた通りこのキットはOEM。メイドインジャパーンな紙が一枚入っており、キットはズバリハセガワ製なのでした。

 ハセガワのバッファロー自体は1996年発売なので、かれこれ20年以上前のキット。あまり再販されないキットでもあるので久しぶりに手にした気持ちになります。ディテールもシャープだし組み立てもサクサクとイケるのであっという間に士の字になりますね。ゴロンとしていてかっちょいい。定番でほしい。

▲心ときめくカルトグラフ製デカールと…謎の黒いシール。

 まあ、ここまではよくあるOEMキットの紹介。今回大切なのは日本からパーツが海外に渡って帰ってくる時にどんな付加価値がついてきているのか…立派なパッケージだけじゃないですよモチロン。模型界にその名を轟かせるイタリアはカルトグラフ社のデカールは比較的定番ではありますがそれだけで嬉しい。それよりも大切なのは謎の黒いシールのほう。

▲これだ!これだよ!

 やっとお酒が飲めるよ!そうです黒いシールは飛行機模型の鬼門、キャノピーのマスキングシートなのでした。機種によってはマスキングテープの切り貼りでイケるけどバッファローみたいに枠が細かいとマスキングの事を考えるだけで箱にそっとしまってヤケ酒をあおる事もあります(経験者談)。

▲ラクチンと言い切ってしまっても問題なかろう。

 実はこのHOBBY2000という得体の知れないメーカーはポーランドの模型メーカー、アルマホビーの別ブランドのようで、こうした日本のメーカーのプラモデルにカルトグラフのデカールとキャノピ―マスキングシートを入れて商品化しております。ハセガワ以外にもフジミの製品もラインナップに入っていたりして、ドーントレスやらモランソルニエMS.406やらスツーカやらスカイホークやら定番商品から抜けてしまった機体も商品化されていたりと嬉しい悲鳴。値段は逆輸入されていることもあってちょっとお高めですがアフターパーツを買う気で考えればお手軽…なのかなとも!

 特にキャノピーマスキングシートはアフターパーツメーカー(エデュアルドとか)が色んな機体のモノを出していますがそのものズバリを探そうと思うとワリと大変でそもそも品切れしてる事も多々。キットに同梱されてると非常に助かりますねー。そんなこんなでHOBBY2000、少々お高いですがオススメでございます。

内藤あんも

1977年生まれ。戦車道とスピットファイア道を行き来する模型戦士。生まれ育ちは美濃の国、今はナニワ帝国の片隅でプラモデルを作る日々でございます。