
小さな10cm強のサイズにギュッと凝縮されたディテール、MMシリーズに通底する組み立てやすさ、コレクションしやすいサイズや価格など、1/48MMシリーズは魅力的要素がたっぷりです。nippperも激推しの戦車模型シリーズです。目指せ全ラインナップレビュー!
今回紹介するのはパンターD型。2019年に発売された1/48MMの中でも新しいキットです。並み居るドイツ戦車のなかで、独特の斜めの装甲フォルムを持っています。これはライバル、ソビエトのT-34の思想に影響を受けたと言われたり言われなかったりする戦車で、装甲を斜めにすることで防御力を増すやり方ですね。
2021年2月には新作として、その「T-34-85」が発売されます。さらにドイツ軍車輌と熱い戦いを1/48で繰り広げることができますね!ということで、共にコレクションしたいドイツ戦車パンターをレビューしますよ。


D型は1943年にデビューしたいちばん最初のタイプです。外見上の特徴は、車両前面の機銃ハッチの形状が他のバリエーションと違うこと、車体後部に垂直な部分があることですね。G型になると車体側面自体が1枚かつ角度も変わります。G型は同じく1/48でキットがありますので、作り比べてみてね。また砲塔のスモークディスチャージャーもD型初期生産型っぽい装備です。

転輪にもD型ならではの特徴があります。同社製パンターG型も似たようなゴム製転輪を装備していますが、外周に並ぶボルトの数が倍になっています。ほら、G型と比べたくなってきたでしょう……。


模型的にナイスなのは内部構造ですね! 裏側にこういった柱が立っています。組みやすくするために、車体の上下をガッチリ内側で固められるようになっているんですね。


ダイキャストを用いたシャシーは金属でめちゃくちゃ重いのですが、下地処理がしっかりしてあるので瞬間接着剤でくっつけられるし、ふつうに塗料ものります。

まだスケールモデルをはじめたばかりのころ、先達が「戦車はいいんだよ、全部組めるところまで組んじゃっていいからな、そこから塗装ができるのは他の模型にはないんだよ」って言ってたのが思い出されます。「筆の届かない場所は“見えない”!!」と感覚派モデラーの急先鋒・フミテシも言ってました。ということで、全部組んでいきましょう!!

そう、履帯やタイヤのゴムが黒かろうが、たくさん迷彩されていようが、とにかく戦車は組んでから考える。だからこそ完成が見えるまで早いんですよね。ポリキャップだけは忘れないでくださいね。転輪は瞬間接着剤でどんどん接着します。重なって配置されるので、順番や位置を間違えないように接着していってくださいね。





履帯はちょっとだけ大変です。あらかじめパーツを切っておき、ぐるっと接着して回ります。上側のたるみが第一転輪から浮くぐらいに調整して、乾燥を待ちましょう。

中身を見ると柱が3本立っていて、これが砲塔の上下をしっかり固定するようになっています。そこに左右や後部の装甲板を貼るので、正面系は台形でなおかつ側面は絶妙な折れ角のある砲塔が歪むことなく作れるわけです。右下に置いた1/35スケールにおいては、そもそも砲塔の上部がバスタブのように一体成型されています。1/35の場合は中に主砲の砲尾なども入るので、軸などのない一体成型パーツとして砲塔内部のスペースを確保しているんですね。



さすがに1日半ほどかかりました(履帯の乾き待ちで1日目を終わるのがオススメ)が、久々に精悍なパンターの姿を見てちょっとうれしくなりました。組みやすい、そしてディテールもしっかりしています。大満足ですね。コレクションしがいもありますので、ぜひ他のドイツ車輌や連合軍のライバル車輌合わせて、サイズ感もお手頃の1/48MMシリーズを楽しんでみてください! それではまたお会いしましょう〜〜。