スマホでもバシッと漆黒の背景で撮れる。プラモデル撮影用の「自作暗黒箱」で勝利を掴め!

 先日「プラモのパーツをとりあえず黒背景で撮るとキリッと締まる上にディテールがよく見えてよろしい」「その時は黒背景を壁に貼るなり棒から垂らすなりして垂直にしておくと光が反射しなくてよろしい」という話を書きました。

 これは簡単に背景が真っ黒になって無敵なのですが、ランナーとか、手に持ったプラモとか、とにかく空中に浮いた被写体にしか使えないテクです。そこが弱点なのが悩ましい。どうしたもんか。

 で、その後に「プラモ(に限らず、なんか静物)を撮影するときというのは、だいたい背景の紙をブツの下に敷いたら後方をグルーっと垂直に持ち上げてRの付いた状態にしがちです。あれはものすごく広いスタジオで上方と横方向からの光を自在にコントロールできることが前提になったセットなのですが、家はそんなに広くない。なので、狭いところであれをやると背景が光って黒い紙とか布なのに黒バックにならないことが多いです」という話をTwitterに書いたらこれがものすごくバズった。ビビりました。みんな悩んでいるのね……。

 でもやっぱり大地を踏みしめているモビルスーツとか大地にドシーンと接地している戦車とかをバキバキの黒バックで撮影したいじゃないですか。1mmの光も反射していない背景というのは、余計な情報が入らなくてシマリがあります。

 幸い我が家は撮影用のスペースをむっちゃ確保してあるので黒バックを実現するためのさまざまなセッティングが可能なのですが、小さいスペースでも黒バックで撮影する方法を考えること15秒。これイケるんじゃないかな、と思って図画工作をしました。

▲光を反射しないブラックホールを自作すればいいんでしょ?

 材料は適当な段ボール箱と黒画用紙です。採寸して切って貼って……というのが超めんどくさいので、ダンボールの大きさに合わせて目見当で適当に画用紙を切ります。両面テープと製本テープ(黒くて安いので採用。パーマセルテープは高すぎますわ……)を使い、要は内側が真っ黒の洞窟みたいなもを作ればいいのです。

▲内側が真っ黒いハコが15分くらいでできた。
▲外見はどうでもいいです。

 奥が真っ黒で、両サイドからも光がなるべく入らないようにしつつ、一番面倒な上からの光をなるべくハコの中に入れないようヒサシが突き出た形状にしてあります。これで背景紙をクルーンと持ち上げて90度曲げたりしなくても、まっ平らな黒いところに置けば漆黒の闇が召喚できるはず……。

▲便宜上背景紙の後方は持ち上げてありますが、このセットでは全く関係ありません。

 被写体を洞窟の前に置き、普段使っているストロボ(モノブロック)は使わずに、IKEAのフツーのデスクライトで照らします。部屋の電気は消した上で、洞窟の中に光が入らないようデスクライトを少し右奥から手前に向けて照射し、足りない光は左側からレフ板(アルミホイルを貼ったスチレンボード)で反射させることで補います。あとはスマホを構えて撮影するだけ〜。

 で、結果。

▲これ、iPhoneで撮ったままです。リサイズとトリミング以外無加工だよ。

 みごとに背景が真っ黒になってくれました。地面はPVCの黒いシートなのですが、うっすらと脚の白を反射していて、布や紙の柔らかい質感ではなく硬質な印象に見えるのが特徴です。

 重要なのは、スマホやカメラのオート露出だと暗いところでも無理やり明るく(黒をグレーに見えるよう)撮影しようとするので、明るさのスライダーを動かして(露出補正というやつです)きっちり背景を真っ黒に見えるようにすること。これが超大事です。

▲左がカメラを構えた瞬間。被写体をタップしたらスライダーを下に動かして適正な明るさに見えるよう暗くしていきます。

▲これで君も暗黒マスターだ……。

 照明もカメラも特別なものではなく、ただのデスクライトとスマホでこれだけのことができるということがけっこう衝撃。材料もダンボールと黒画用紙(と少しのテープ類)でなんとかなりますので、気軽に作れるのも最高です。

 見た目はアレですが、激安簡単な黒い洞窟を自作するとものすごく効果的です。大きいものを撮影しようとするとこのハコの奥行きと幅をそれなりに大きくする必要がありますが、巨大な撮影セットを組むよりは随分手軽に取り組めるはず!

 みなさんも、ぜひ。

以下、毎度ですが寄稿のお願いであります。

■nippperはみなさんからの寄稿をお待ちしております。なんかすごい人がすごいこと書いてるなぁ、というのではなく、「こんなプラモ買った!」とか「こんな道具が便利なんですけど!」とか「これってみんなどうしてるんですか?」「プラモ作りながら聴くこの曲が最高!」みたいな、プラモにまつわるあらゆるエピソードを誰でも書ける場所(要は投稿式の模型SNSみたいな感じ)として機能したいなぁと思っております。

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からぱた
@kalapattar

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。