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ランナーを炙って伸ばしてガンキャノン/「筆塗り上手」にオレはなれたか。

 シリーズ、「筆塗り上手になりたい」。ガンキャノン編のラストを飾るのは……上の写真を見ればわかると思うんだけど後頭部のアンテナがないんだよね。塗ってるうちにブチ折れてブラックホールに飲み込まれていきました。筆塗り関係ないなこれ。プラモというのはブラックホールに飲み込まれていくパーツとの戦いでもありますので、皆さんは折ったりパーツを飛ばしたりしないように気をつけていきましょう。

▲患部。まあ芋付け(平らなところに棒を貼る)というハードコアな仕様だからしゃーない。

 さて、アンテナが無くなってしまったのでアンテナを復活させなければいけない。いい感じの太さで先細りで2本が同じ長さの棒をゲットする方法。それは……。

▲伸ばしランナーだ!

 説明しよう。伸ばしランナーというのはランナー(プラモデルのパーツのくっついている枠)をライターで炙って柔らかくして伸ばして細い棒を作り出す技術。モデラーの皆さんはだいたい習得しているテクだが、奥が深い。

▲炙りの時間、伸ばすスピードで変幻自在に細いプラ棒が得られるのだ。

 ランナーを強く熱する/素早く引っ張ると細く長く、ランナーを弱く熱する/ゆっくり引っ張ると短く太い棒が得られるのだが、これは火事に気をつけながら何回も試すことで習得できる。良い子は絶対にランナーが燃えないよう(そしていつでも消火できるよう)きちんと対処するのだ!

▲良い感じの太さとテーパーの部分を切りそろえて2本のアンテナが爆誕。
▲プラスチック用の接着剤でそっとくっつけたら手術は完了。
▲できたぜ、筆塗りガンキャノン!

 このシリーズでは『1/250 ガンダム情景模型 テキサスの攻防』に入っているガンキャノンをシタデルカラーと筆だけで塗装してきた。固定ポーズの小さなモビルスーツを組み立て後にシコシコ塗る。溶剤やマスキングテープがなくても、気が向いたときにはみ出したところを塗り重ねたり、細かいところをチマチマと塗り込んだりしてここまでやってきた。ベタ塗りだけど、最高にうれしい。

 この先にはスミ入れやシャドウ/ハイライトを入れることで深みを足していくこともできるし、みんな大好きダメージ表現も入れることができる。しかし、まずは「筆で小さいものを塗ると案外自分が思っているよりなんとかなる」ということをお伝えしたかった。言ってみれば、「筆塗りレベルその1」という感じだ。

 プラモにはいろんなテクがいっぱいある。ありすぎてnippperを毎日更新していても紹介しきれないくらいなのだ。それらを全部吸収して自分のものにするのには沢山の時間がかかるけど、まず筆を持って、自分の好きなプラモを、自分の好きな色でぺろりと撫でてみてほしい。図画工作の時間ぶりに「わ、色が付いた!」と驚く時間は、あなたにとってきっと楽しいものになるはずだ。

▲さて、次は何を塗りましょうかね。
からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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