筆塗りというのは柔らかい穂先を手でコントロールするのでキレイに塗り分けるのがムズい!プロい人はどうしているんだ!?あとシタデルカラーって頑丈とか言うけどどうやって落とすの?溶剤??
身も蓋もないことを言うと、プロい人は筆でもまっすぐな線が描けます。トレーニングしまくれば筆でビシーッと直線的な塗り分けができる。しかし私はそこまでうまくないしせっかちなので狙ってないところに色が付いたり、まっすぐ塗ったつもりがよれよれだったりします。さらに、シタデルカラーは失敗してもどうにかなるので落とさなくてもイイ、というのがひとつのウリになっています。
この2つの記事を読んで、はみ出したところどうすんだよ!と思った人のためにシタデルカラーがすごいという話をします。
今日ご紹介するのはシタデルカラーの「BASE」というラインからこの一本。「メカニカススタンダードグレイ」です。

このシリーズも3度目なので、駆け足でいきますね。付いてこい!




はい、シタデルカラーは水性塗料なのですが、乾燥すると二度と水には溶けなくなります。そして隠蔽力が抜群に良いので、赤の上にグレーを塗るといきなりグレーになります。写真だとちょっとだけ透けていますが、2度も塗ればバッチリグレーになります。SHIKAMO☆赤の上に塗ったところとサーフェイサー(薄いグレーの下地塗料)の上に塗ったところの区別はつかなくなります。
ラッカー塗料などは重ね塗りをすると乾燥後も溶剤で下地の塗料が溶け出し、赤とグレーが混ざって濁ったりします。この性質をうまく使ったり、下地が溶けないくらいにコントロールした塗りというテクもあるのですが、これにはかなりの経験とカンが必要です。
どっこい、シタデルカラーはこうして何度でも上から修正できるので、はみ出しが怖くない。失敗を怖がっているとなかなか手が動きませから、こうして「失敗しても大丈夫なのだ〜」という塗料は最高。

たとえばガンダムのシールドにある黄色い十字のマーク。赤と黄色をビシーッと塗り分けるのはテキサスで攻防するのよりハードコアなのですが(マスキングテープとかをキレイに貼るのも難しいしね)、シタデルカラーはちゃんと乾燥していれば黄色のはみ出しを赤で潰し、赤のはみ出しを黄色で潰し……と、納得いくまでキワのせめぎあいを筆で楽しむことができます。
これを利用することで、こまかいストライプや服の模様、ぴしっと揃ったラインなどなど、自分で筆塗りするなんて思っても見なかったような細密な表現が意のままにできるようになります。これホント。
ちなみに今回も筆はゴッドハンドのうぶげシリーズを使用。含みがよく、穂先のまとまりも耐久力も申し分なしなので、水性塗料をきれいに塗りたい人はぜひとも手に入れてほしいラインですねこれは。


ガンキャノンもガンダムもまだまだ塗りかけですが、こうして思いついたときに一色ペロッと足す、はみ出したのを次の日にペロッと直す、みたいなことをずーっとやっているうちにすげーかっこいい完成品になるのではないか、というお気楽極楽すぎるこの企画、次はみなさんが気になっている「白」がどうなるのかもお伝えしていきたいですね。そんじゃまた。