シリーズ、「筆塗り上手になりたい」。今回は「テキサスの攻防」より、ガンキャノンではなく、主役のガンダムさんに登場してもらいます。だって、ここまで塗ったらそろそろガンダムの色が揃ってきた感じがしますもんね。
今回塗るのはこの1色。夏の抜けるような青空の色を筆でスパッと塗る快感です。
シタデルカラーのBASE(ベース=隠蔽力のある下地色)には「青だな」と思える色がいくつかありますが、カラッと明るく濁りがないのがこのカレドール・スカイです。テレビで見たガンダムの青にすごく近いな、と思ってチョイスしましたよ。いろんなプラモに使える「絵の具の青」といった風情なので一本常備しておくと「あ、ここ青くしておこう」と思ったときに使えます。
もうシタデルカラーの塗り方は何度もお見せしてきましたが、ちゃんとおさらいしておきましょう。反復すんのが大事だぜ。
何度でも言いますが、シタデルカラーは乾燥が速いので、ビビって少しずつ乗せると(このシーズンは特に)ボコボコした塗膜になりがち。ウワッと面に置いてから塗り拡げると発色も平滑さもいい感じになります。水で薄めすぎると乾きは遅くなりますが、何度も塗り重ねないと発色しないので注意(わざと重ねてきれいな塗膜を作る人もいます)。
はみ出しても上から塗り重ねて修正できますし、筆運びのよい塗料なので細部もけっこうキレイに塗り分けられます。それにしてもこのブルー、いい色です。
ところで先日、「シタデルカラーの付いた筆は水で洗えると聞いたんだけど、なかなかキレイにならん!困った!」というお便りをTwitterでもらいました。ということで、知り合いのシタデルカラーの達人がやっていた洗い方をここで紹介しておこうと思います。
まず水がたくさん入るコップ(大きければ大きいほどいいです)といらなくなったタオルを用意しましょう。
上記の動作を気が済むまで繰り返してください。もしこれでもきれいにならない場合は、単純に「塗料のつけすぎ」です。穂の根本で乾いた塗料は水では落ちてくれません。マジックリンみたいな洗剤や、「ふでピカリキッド」をはじめとする模型用の筆洗浄剤で洗ってください。穂先がバラけると悲しいので、決して固まった塗料をほじくり出そうとしないように!
とにかく、塗るときは筆先半分以上に塗料が付かないよう注意。そして塗り足していくときにもどんどん塗料をすくうのではなく(毛細管現象で根本まで上がってきた塗料が固まります)、常に筆を洗ってウエットな状態に保ちつつ、先端だけしか使わないぞ〜と意識することがきれいな仕上がりと筆の長持ちに繋がります。試してみてね!
模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。