筆塗り上手になりたい/「鮮やかな黄色を塗る」の巻

 筆で黄色を塗る。塗ったことがある人ならわかると思うのですが、黄色というのはとにかく発色しづらい。下地が透けたり、ムラになったり、塗り重ねても濁った色のままだったり……。ということで、下の記事の続きを書きます。

 今日ご紹介するのはシタデルカラーの「BASE」というラインからこの一本。「アヴァーランドサンセット」です。とりあえず黄色くしたいならこれをまず塗りましょう。

▲「BASE」というのは「1番目に塗る色」です。とにかく隠蔽力番長です。

 しつこいようですが、シタデルカラーを塗るときはまず瓶を死ぬほど振って中身を撹拌します。棒を突っ込んで混ぜると空気と反応して中身が変質してしまうので、蓋を締めた状態でブンブンブンブン振りましょう。そしてパカッと開けると、蓋にベロのような部分があり、そこに塗料がくっついてきます。濡らしてからよく水を切った筆の先でちょろっとすくいます。

 適当なマグカップに水道水を張っておきます。塗料を付けた筆の先端を「ちょん」と水にタッチさせます。ドボンと付けるのではなく、先端だけが一瞬触れる程度で構いません。この儀式が大事なのです(これは赤でも同じことを書いていますが、大事なことなので繰り返します)。

 クッキングシート(ペーパーパレットでもいいのですが、安くて使い捨てしてもあまり惜しくなく、夜中にいきなり塗りたくなってもコンビニで買える!)の上で数秒間こねこねします。これで準備完了。

 赤の上から黄色を塗る!でも見てください、ちゃんと発色しているでしょ。ちょっとずつ塗るのではなく、プラモの表面に筆を当て、ボテッと乗った塗料を一気にわしわしわし〜と塗り拡げていきます。使っている筆はゴッドハンドの「神ふでシリーズ うぶげ 極細筆 キャップ付 模型用筆 GH-BRSUP-HS」。うぶげシリーズはまじでシタデルとの相性良いのでオヌヌメです。

 なんか盛大にはみ出していますが、これはあとでどうにでもなるのでビビらずに塗りましょう(はみ出しを直す回もそのうちやります)。で、赤じゃなくてグレーの上に塗ったらどうなるかもお見せしましょうね。

▲筆でピロピロ〜って1回塗りしただけです。

 じつはいま塗っているアヴァーランドサンセットという色、実物を見るとわかるのですが結構くすんだ黄色です。くすんでいるのにはふたつの理由があります。ひとつは隠蔽力を高めるための黄色以外の顔料がいっぱい入っていること。そのおかげで一回塗りでも透けずにしっかり発色して、下地にあまり影響を受けず、平滑な塗膜が得られます。もうひとつはシタデルカラーの特徴として「暗い色の下地にどんどん明るい色を重ねていくことで陰影を強調する」という作法があるからです。ということで、明るく鮮やかでパキッとした黄色をこの上に塗りましょう。

▲シタデルカラーは水性なので、マグカップの中でザブっと筆を洗えばこのとおり。乾くと筆がカッピカピになって蘇生できないので注意!
▲「LAYER」というのは「BASEの上に塗ってね」という色です。

 上に示したのはシタデルカラーの「LAYER」というラインより、左が「ユリエル・イエロー」、右が「フラッシュギッツ・イエロー」です。ユリエルは結構赤みがあって、いわゆるキャラクターイエローと呼ばれる色に似ています。フラッシュギッツのほうは赤みがほとんどなく、もっと純度の高い黄色という感じ。
 なんだよ、最初からこれ塗ればいいじゃん!とお思いかもしれませんが、このLAYERというラインはBASEよりも隠蔽力が低い(そのかわり鮮やかで明るい色がラインナップされている)ので、いきなり塗ると下地が透けるしムラになりやすい。シタデルカラーの世界では逆にこの性質を利用して、どんどん鮮やかで明るい色を重ねながら陰影を強調して、完成品のコントラストが実物以上にバシッと出るように仕上げることを考えた設計になっています。
 今回は鮮やかな黄色をベタ塗りしたい、というのが課題なので、まずは下地としてしっかり発色するけど濁ったアヴァーランドサンセット、その上にユリエルイエローを乗せます。二度手間だけど、シタデルで黄色発色させたきゃこれが一番速いんじゃないかな、と思います。

 かなり鮮やかで明るい、ガンキャノンのイメージといえばこれ!という黄色が塗れました。
 正直言うと、メフィストンレッドはいきなり発色するし鮮やかな「赤!」という感じがするのでたとえばコクピットのスイッチとか消火器とか、プラモ作ってて突然赤塗らなきゃいけないときに緊急出動させると一撃で終了するので最高なんですが、黄色はその性質上どうしても一発で鮮やかな色を発色させるのが難しい(これは化学の問題なので、解決するためにはいろいろなハードルがあります)。

 個人的には「超高速でめちゃめちゃ純度の高い黄色を発色させたい」というときには面倒でも白をスプレーorエアブラシしてから、市販の模型用塗料としてはもっとも発色性能の高いと思われるGSIクレオスのGX4「キアライエロー」をエアブラシで吹いてます(超小さい面積に塗る場合はあまりムラが目立たないので濃い目のを筆でビッと塗ります)。とはいえ、筆で黄色を塗りたいよね〜というときは、今回のようにシタデルカラーの二段重ねが有効であることには変わりありません。ぜひ試してみてくださいまし!!

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からぱた
@kalapattar

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。