F-2は「国産の戦闘機」で、航空自衛隊にのみ配備された航空機です。開発の経緯(アメリカとの共同開発で、ロッキード・マーティン社のF-16戦闘機をベースとし、三菱重工業を主契約企業、ロッキード・マーティンなどを協力企業として開発される)からF-16とよく似た外見をしているのですが、F-16よりも大型で、そして独特の海洋迷彩塗装が目立って基地祭などでもすぐに区別がつきます!!
模型のほうでは、ハセガワが1/48スケールでも、1/72スケールでも気合の入ったキットを発売しています。やはり国内配備の航空機ですから、ちょっと特別な力が働くのかもしれません。今回紹介するのは1/72ですが、1/48も素晴らしいのでオススメです。
この前nippperで紹介したF-16と組み比べると、F-2との違いをよく知ることができます。自分の指からその違いを体感できるのは模型の楽しみですね!!
ぱっと見はF-16とほとんど同じなので、翼が一回り大きいこと、キャノピーが3分割なこと、インテークのカタチ……。挙げだすとどんどん違うところが出て来ます。特に先ほどの3つは形状でも特に目立つ部分です。
さて、F-2はボディが中央で別れていて、単座のA型と複座のB型で、機首側を選択する方式になっています。
これを段差にならないように接着できれば、あとはほとんど簡単に流麗なF-2の姿を楽しみながら作ることができるでしょう。おっと、キャノピーのクリアパーツにパーティングラインがありますね。これの消し方は、私の過去記事を参考にしてくださいね。
そしてF-2の役割とこの機体をもっとも物語っている象徴的武装がこの「ASM-2」です。
このミサイルは対艦ミサイルで、海上の艦船を相手にしたものです。F-2は空対空だけでなく、日本近海に現れる謎の艦船に対しての抑止力ともなっているのです。威力のあるこのミサイルを4発も搭載してお出かけすることから、いつしかF-2は”対艦番長”とのあだなも冠することになりました。またむやみに先端がカッコいい空対空ミサイル、AAM-3(写真では翼端に装備されているミサイル)も地味に魅力のアイテムです。
あだ名といえば、F-16の記事でF-16はViper(蛇)という非公式のあだ名があるよ、と紹介したことを覚えていますか?じつはF-2、兄弟格のF-16が持っているViperというあだ名と、かつてメーカーが作っていた航空機の零戦をもじって、Viper Zeroという(おそらくこれもまた非公式な)愛称がつけられているのです。記念塗装でコクピット後部の肩あたりにマークされたこともあり、この表記を見たときはおおっ! と思わず声が出たことを思い出します。
記念塗装にも恵まれたのがこのF-2で、とくに松島基地のF-2Bに関してはいくつもの苦難とドラマがありました。垂直尾翼に桜と皐を咲かせた津波の被害から復帰した記念飛行の、マーキングなどは泣かせるマーキングでしたし、海洋迷彩がピクセルドットに変換された第三飛行隊の60周年記念塗装機などはしびれるほどかっこよいマーキングでした。
こうして人はデカール違いの模型をたくさん買ったり作ったりするようになるんですね。
まだまだ語り尽くせぬF-2のキット。青い海洋迷彩は塗装がちょっとむずかしいかもしれませんが、それでも挑んでみる価値はあると思います。現在は専用のカラーも発売されていますから、色で迷うこともありません。ぜひぜひ、気合の入ったキットを楽しんでください。
各模型誌で笑顔を振りまくフォトジェニックライター。どんな模型もするする食べちゃうやんちゃなお兄さんで、工具&マテリアルにも詳しい。コメダ珈琲が大好き。