F-16といえば、F-4に次いで生産数の多いマルチロールファイターで、アメリカ本国はもちろん、アジア、ヨーロッパ、中東、南米と世界でユーザーがいる機体です。F-16は、よりパワフルなF-15とあわせて使われる”軽戦闘機”の役割として生まれました(ざっくりとした説明でスマヌ……ちゃんと書くとこのページが健康食品の通販ページの15倍ぐらいになってしまう……)。日本でも三沢基地に配備されていることもあり、日本各地の基地祭でその姿を見ることができます。様々な模型メーカーからキット化されていて選び放題!今回はけんたろうお兄さん激推しのハセガワ「1/72F-16CJ ブロック50」をご紹介してもらいます!!
ハセガワ製1/72F-16CJ ブロック50は、ハセガワから多数発売されているF-16ファミリーのキットのなかでも、もっともまとまりよく楽しいキットです。武装もたくさん入って1320円は超お買い得!!また日本で馴染み深い三沢基地の機体なので、もしかしたら基地祭で見たあの機体、ということになるかもしれませんね。
キットの中身を見ると、けっこうぎっしりランナーが詰まっています。エンジン単発式(エンジンがひとつということ)のF-16なのに、筒が2つ入っていたり、インテークも2つ入っています。またパイロットフィギュアも3つ! 入っています。
実はこれらのパーツは、まさにF-16実機の進化を体現したパワーアップパーツたちなのです。ブロック50ではさらに、一部パーツを加工してパワーアップさせる部分があります。それがこちら翼端の加工です。
元々は翼端に取り付けるミサイルも90kgぐらいの赤外線追尾式ミサイルだったのですが、時代の進歩とともに、翼端のミサイルも重たい150kgのレーダー追尾式のものに変更になり、根本のランチャーも大型化します。ですのでプラモも翼端と一体のランチャーをカットして、大型化したランチャーを取り付けるわけです。積載量増加にともなって、エンジンも変更になりました。組み立て説明図で指示があるのはF110という型番のエンジンになり、このエンジンに合わせてインテークも広口のものに変更されたのです。それらが先程登場したパーツたちになります。
象徴的なのが、このランチャーやパイロットのランナーに付属する大きなAGM-88 HARMミサイルです。
このミサイルで敵陣にある対空ミサイルなり対空兵器のレーダー波を逆手に取って攻撃します。このミサイルをF-16が装備したということこそが、対空から対地にも活用されている象徴となります。敵陣へとこれからたくさん航空機を送り込む前に、まず突っ込んで対空兵器を攻撃する任務につくのです。こうした任務のことを敵防空網制圧任務といい、この危険な任務に従事する航空機を通称ワイルドウィーゼルなんて呼びます。尾翼に書かれた”WW”のコードの由来ですね。
こうした敵防空網制圧任務に駆り出されるF-16については、パイロットが著した、『F-16 -エースパイロット 戦いの記録』によく描かれています。
半日に渡った対地任務からスライドした緊急の救援任務の話が印象的です。F-16がなぜアンチ対空兵装をしているかの話もあり、現代F-16のことを知るのに読みやすくイメージも湧きやすい一冊ですね。この本を読めば、あなたは絶対にF-16にAGM-88HARMを搭載したくなるはず。これ、原著は「Viper Pilot A Memoir of Air conbat」というタイトルで、F-16の非公式な愛称であるバイパー(蛇)という名前が使われています。公式な愛称はファイティング・ファルコンですが、パイロットやその周辺ではバイパーのほうがおなじみというわけです。
F-16のキットはたくさん発売されていて、どれも良くできています。模型には「このモチーフにハズレ無し」なんて言って、ガンプラだとドムがそう言われたりします。F-16がまさにそういう機体です。ハセガワのF-16は、そのなかでもバランスが良く、価格もお手頃でバリューも高いキットです。
ボディの分割がうまく、エッジの部分から合わせ目がズレているので組みやすいし、端がツンツンでいい感じに鋭い。
装備もめっちゃアツいから、CJ(ブロック50)は最高なんですよ。組みやすくもあり最初にチャレンジするF-16のキットとしてもおすすめ中のおすすめです。ぜひ作ってください。それではまたお会いしましょう〜。(今回記事用にフミテシが組んだところ、フル装備状態で1時間35分で組み上がりました!)
各模型誌で笑顔を振りまくフォトジェニックライター。どんな模型もするする食べちゃうやんちゃなお兄さんで、工具&マテリアルにも詳しい。コメダ珈琲が大好き。