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イギリスが産んだ虎をも倒した「シンプルイズベスト」。タミヤ6ポンド対戦車砲という大ベテランと遊ぶ。

▲俺たちがタミヤMM No.5、6ポンド砲トリオだ!!ってーーーーー!!

  今やNo.372番まであるタミヤを代表する戦車模型「1/35 スケールミリタリーミニチュアシリーズ(以下MM)」!!その歴史のスタートである「ひと桁番台のMM」ってどんなプラモなんでしょう? 実は僕もひと桁番台のキットでちゃんと作ったことがあるのって、タミヤMMアニキたちから「これは作っておけよ!」と言われた「No.9ドイツII号戦車F/G型」くらいなんです。MMシリーズはII号戦車まで戦車が登場せず、戦車初登場のキットの構成が最高だったんですね。ドイツアフリカ軍団は多くのMM少年の心を掴むのでした。

 話はそれましたが、ひと桁番台のキットをもう少し覗いてみたいと思い、手に取ったのが今回のキット「イギリス陸軍 6ポンド対戦車砲」です。昨年特別再生産されたものがまだ店頭にありました。ひと桁番台のものは稀に再生産がかかることがありますのでタミヤのホームページや公式ツイッターなどをフォローしておくと良いですよ。

▲箱絵がこれまた最高。6ポンド砲のグリーンの色使いを模型に投影したいっす。あと万引き防止のあのタグ、商品解説文のところに貼るのは無しだぜ!!

 とにかく箱絵の色使いが素敵で、手に取った瞬間「買おう」ってなりました。しかも定価1000円。それで3人の英国紳士と6ポンド砲が付くんですからお得ですよ。ランナーは2枚構成です。

▲箱を開けた瞬間に説明書には実際の6ポンド砲の写真が!!しかも解説文の中にある「泥でカモフラージュしたりしていました」そのものの写真が。絶対真似して塗るでしょ!!
▲わ〜楽しそう!!

 この6ポンド砲は、イギリス軍が第二次世界大戦開戦後の1940年にヨーロッパでドイツ機甲部隊と戦闘して「俺たちの武器じゃだめだこりゃ」という経験を盛り込み数週間というマッハなスピードで設計されたというすんごい兵器です。砲の構成は非常にシンプルで、作動の確実さと、取り扱いの容易さからイギリス陸軍で長く愛用される兵器となりました。キットを見ていきましょう。

▲モーニング!!手をあげているアニキとはランナー状態で挨拶を交わそう
▲このアニキは手に双眼鏡を持っているのですが、腕と一体成型されているんですね。当時から面白いパーツ分割をしています
▲ヘルメットとMK1ライフルのランナーのところだけ名称があるんですね。面白いタグです

 まずは6ポンド砲トリオを組んだ姿を見てみましょう。

 

▲紅茶をください。ではなく、ガンナーだと思われる彼。ポーズが緩やかで自然な感じがします。もしかしたら歴戦のアニキなのかもしれません
▲装填手は前屈みになって膝をつくポーズがすごく動的でドラマチック。緊迫感が伝わってきます
▲装填手に比べてなんだか緊張感がないのが指揮官と思われるアニキ。上げている手の手首の造形とかいい味出てますよね

 当時のものですから今のクオリティと比べると落ちますが、それぞれが良い演技をしているのは事実。その結果、6ポンド砲と組み合わせると……

▲めっちゃかっこいい!! MM初期のキットの良いところは「全体の雰囲気の良さ」にあると思います。だからこそ楽しい模型となり現在のような膨大なラインナップまで広がりを見せたんだと思います
▲6ポンド砲のパーツ構成もとってもシンプル。説明書も6行程で完成してしまいます。砲身はシンプルな竹割。その他も細かいパーツはありません
▲6ポンド砲です!砲身、防盾、タイヤ、2本の脚と本当にシンプル。だからこそ運用しやすかったんだな〜と組み立てるとさらに分かります。
▲そして説明書の解説文のクライマックスには「重装甲で知られるタイガー戦車さえ破壊したのである」と記されます。こんなシンプルな砲で……興奮を覚えます

 ひと桁番台のMMの6ポンド砲を組み立てるにあたって、写真を見て貰えば分かり通り、パーツをヤスリなどで整形しています。というか、キットがカッコよくてさらにカッコよくしたいという欲が出てついつい手が動いてしまいました。人と6ポンド砲が合わさった瞬間の満足感は最高です。シリーズNo.5でこのキット構成とギミック、ドラマティックな説明書の文章と今のMMの要素がすでに完成されていて、1人で柏手の嵐!!

 こうやってたまに大ベテランキットを触ると、そのシリーズの魅力がよりわかっていいもんですね。その時々のプラモを知る冒険はやっぱり面白いです。また何か大ベテランをお家に迎えて作ってみようと思います!大ベテランのプラモと一緒に遊ぼうぜ〜〜。またね!!

フミテシのプロフィール

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

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