
“水陸両用”というパワフルワード。人類のあくなき水への挑戦が産んだ言葉。1942年9月に生産が開始されたこの「フォードGPAトラック」は、水陸両用車の先駆けとして歴史に刻まれている名車です。そんな名車をプラモで思う存分楽しめるのがこの「タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ(以下MM) No.336 フォードGPA 水陸両用車」です。

頑丈で信頼性が高く、軍用車両といえば「ジープ」と言えるほどの名車がベース。フォードGPAは“Seagoing Jeep=海のジープ”とも言われています。最大の活躍は人類史上最大の作戦、1944年6月のノルマンディ上陸作戦です。ヨーロッパに上陸後も様々な河川障害をこのフォードGPAで乗り越えて行ったのでした。






ドライバーと躍動感ある兵士2人。小さなスペースにぎゅうぎゅうです。フィギュアの細かいシワや体の流れを見ると、最近のタミヤのフィギュアキットのスタンダートとなっている「3Dスキャン+原型師による仕上げ」の手法が取り入れられていると思われます。キットの発売が2014年ですから、まさにタミヤが新たなフィギュアのクオリティを築き上げようと、挑戦をはじめたばかりの頃の物であろうと思われます。


現在のタミヤMMのフィギュアはおそらくインジェクションキットでは世界一のクオリティだと思います。造形の美しさだけなく、どうすればユーザーが腕や足、胴体をストレスなくあるべきところにあるように接着できるかまで考え抜かれています。本キットの3人を組んでみると、それに挑戦しようとしているトライアル的な部分をそこかしこに感じ、タミヤがMMの世界をまた新たなクオリティに持っていくんだ!という気迫を手から感じることができます。このキットを組んでから、最新のタミヤのフィギュアキットをぜひ組んでください。フィギュア開発者の類稀なる努力とアイディアによるさらなる進化を楽しむことができます。


水陸両用車として活躍しその名を歴史に刻んだフォードGPA。その名車を彩るタミヤの挑戦が詰め込まれたフィギュアも同時に楽しむことができる本キット。手のひらの中におさまるサイズのこのプラモは、組み立てればきっとあなたの中で宝物になるはずです。