「仮想敵機部隊」に燃える!超エリートの”専用機”のカラーリングとは!?

 「アグレッサー部隊」って聞いたことありますか。戦闘機のパイロットの訓練をするための敵役となる奴らのこと。日本の航空自衛隊では飛行教導隊と呼ばれています。当然弱いと訓練になりませんから、パイロットの中でも精鋭が務めます。
 で、彼らの乗る機体(F-15 イーグル)は空中で「あれがアグレッサーだ!」としっかり識別できるように(そしてそれぞれの機体が仮想敵として演じる役割を判別できるように)普段とは異なるスペシャルな塗装が一時的に施されています。

 このたびモデルアートより刊行された『アグレッサーアーカイブス01 1990-2003年編 2020年 07 月号 [雑誌]: 艦船模型スペシャル 別冊』は1990年から現在までに施された識別塗装をイラストと写真で網羅しようというとんでもない企画。タイトルに「01」と入っているように、1冊では収まらないので3分冊で出るというのだから驚きです。

 迷彩塗装のようなパターンもあれば、シンプルに直線的な塗り分けが施されたもの、どこかの国の戦闘機に似ているもの……などなど、ひとつとして同じパターンのないさまざまな識別塗装のすべてがイラストと写真付きで解説されており、単にF-15がいっぱい見られるだけでも超嬉しい。

 どんな塗料が使われてたのよ〜というマニアックな資料もあるのですが、この本の面白いところはとにかくいろんな塗り分けパターンとか色の組み合わせを大量に眺められるところにあります。
 なかには(主観的かもしれませんが)決してかっこいいとは言えないパターンや配色のものもありますし、文句なしに「これが制式塗装でいいじゃん」と思えるものもあります。
 こういう引き出しをいっぱい持ってると、キャラクターモデルを塗るときにも「そうだ、あのパターンを引用してみよう」とか、「このロボットはアグレッサーという設定にしちゃおう」といった”遊び”を思いついたり、人に見せたときの納得感を向上させたりする効果があります。

 そして説明的な図や記録重視の写真のなかに突如現れるエモくて情緒的な写真たち……。「再現のための資料」としても一級品の本ではありますが、戦闘機を運用する上で、こんな人達がこんなことを考えながらすごい手間ひまを掛けているんだなぁということを知っていれば、普段作る戦闘機への思いもいや増すでしょうし、架空のメカにひとひねりのアイディアを盛り込むことも可能になります。ずっしり重くて色とりどりのムック、みなさんもぜひ読んでください。

アグレッサーアーカイブス01 1990-2003年編 2020年 07 月号 [雑誌]: 艦船模型スペシャル 別冊

アグレッサーアーカイブス01 1990-2003年編 2020年 07 月号 [雑誌]: 艦船模型スペシャル 別冊

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からぱた
@kalapattar

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。