ゴッドハンドの新製品「神ふで」で、アナタの筆塗りはうまくなるか!? 〜面相筆編〜

 「アルティメットニッパー」という超高性能ニッパーでモデラーから絶大な支持を集め、その他数々の模型用ツールをリリースしまくっている新潟のメーカー、ゴッドハンドから「神ふで」というシリーズが新たに発売されました。筆塗りというのはみんなが気になるトピックのひとつ。われわれnippperのもとにもゴッドハンドさんから「使ってみてちょ〜」とサンプルを提供いただきましたので、忖度なしでレビューしていきたいと思います(前回の「特殊筆編」はこちらから)。今日は19種の「神ふで」のなかから、面相筆6本についてお伝えしたいと思います。

▲パッケージ越しだともう毛束が肉眼視できないくらい細いやつもあるぞ!

 今日紹介するのは左から「神ふで 極面相筆S/M/L」「神ふで 面相筆S/M/L」です。面相筆というのは文字通り面相、つまり人の顔を描くための筆なんですが、プラモの世界では「めちゃくちゃ細くて穂先が尖った筆」くらいの意味で使われています。人の顔を描く以外にも、塗装がちょっとだけ剥げてしまったところをレタッチしたり、細い線を描いたり、奥まったところを塗ったりと様々な使い方ができます。

 結論から言いますね。面相筆は高いやつを買ったほうが絶対にいいです。なぜなら、塗料の含みと穂先のまとまりかた、そして毛のコシが値段に比例するからです。塗料を含まない筆、穂先がカキーンとまとまらない筆、毛のコシが乏しい筆は狙ったとおりに塗ることが格段に難しくなります。普通の大きさの筆ならまだしも、小さくなれば小さくなるほどそのコントロールは精密である必要があるわけですから、道具に助けられるところは大きいのです。で、ゴッドハンドの神ふでは面相筆の世界だと中くらいの値段。もしいまこれを読んでいるあなたが格安の面相筆を使っていて、「なんだかうまくいかないんだよな」と思った場合は、まずステップアップとしてこの神ふでシリーズを試してみましょう。

▲左から「神ふで 極面相筆S/M/L」「神ふで 面相筆S/M/L」の先端です。

 「極面相筆S/M/L」は毛量がめちゃくちゃ少なく、とにかく先端が細いのがわかります。「面相筆S/M/L」は毛量が多く、また穂先の長さが異なります。とくにいちばん右の「面相筆L」は穂先が長いため、先端が細く尖っている反面、かなり柔らかい印象です。細い筆は広い面積を塗るのに適しませんし、太い筆は狭い面積を塗るのが難しい……というあたりまえのことを、それぞれの筆を実際に使うことで体感しないと、自分が求めている筆がどれくらいの太さ、コシ、塗料の含み具合なのかをジャッジできないと思います。なので、比較的入手しやすい値段ながら、毛質に優れ、回復性も高いゴッドハンドの神ふでシリーズがステップアップに使える、というのが私の感想です。

▲ゴッドハンドオフィシャルサイトより転載。

 「回復性」というのは、少々荒い使い方をしたときに穂先が広がってしまっても、しっかり洗浄してから上の写真のように熱湯を使うことで穂先が初期状態に復元するということです。これはPBT(ポリブチレンテレフタレート樹脂)という素材を使用しているからだということで、溶剤や摩擦といった筆にダメージを与える要素にも強い耐性を持ちます。

 面相筆S/M/Lはややコシが弱く、塗料の含みもそこまで良好とは言えませんが、細かいところを丹念に着色していくという作業はしっかりこなせるだけの毛質があるという印象。ラッカー系塗料は乾燥が速いので、比較的乾燥の遅いエナメル系塗料や水性塗料を活用して、少し広い面は何度か塗り重ねることを意識した濃度にしておくのが良さそうだと感じました。

 極面相筆S/M/Lはとにかく恐るべき細さ!1/700の戦車の車体と履帯(いわゆるキャタピラ)の隙間に筆を差し込んで黒いラインを入れられるレベルです(肉眼で厳しい場合は拡大鏡を積極的に使いましょう)。毛の本数が少ないので塗料の含みは先ほどの面相筆よりさらにシビアになりますから、乾燥の早い塗料は避ける(もしくは感覚を掴むまで薄め方を調整する)のが吉です。

 ……ガラにもなく真面目なレビューになってしまいましたが、とにかく面相筆って価格が上がれば上がるほど性能が高くなります。ただ細ければ細い線が描けるというわけでもなく、毛の質や形状、溶剤との相性などさまざまなパラメーターによってその性能が変化しますので、「とりあえず面相筆って書いてあるからこれ買っておこう!」と格安のものを使っていた人は(同じ素材、同じ軸でこれだけのバリエーションを展開している模型用面相筆は珍しいので)これらを試し、自分の塗り方、使う塗料との相性を実感しながら使いこなすか、さらなるステップアップの判断材料にするというのが良いと思います。

ゴッドハンド 神ふで 極面相筆S (キャップ付) GH-BRSP-GMS

ゴッドハンド 神ふで 極面相筆M (キャップ付) GH-BRSP-GMM

ゴッドハンド 神ふで 極面相筆L (キャップ付) GH-BRSP-GML

ゴッドハンド 神ふで 面相筆S (キャップ付) GH-BRSP-MS

ゴッドハンド 神ふで 面相筆M (キャップ付) GH-BRSP-MM

ゴッドハンド 神ふで 面相筆L (キャップ付) GH-BRSP-ML

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からぱた
@kalapattar

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。