昔のキット……と言っても’00年代初頭くらいのものなんですけど、そのころのプラモを作っていると戦車や車両は驚くくらいスムースにパーツが合うんですよね。そのせいで、’00年が20年前なのを忘れてしまうのですけど、反面、フィギュアは少し曖昧にできていて、初めて作るとそのギャップに驚きます。腕の向きとか、頭の位置とか。

ただ、だからこそ微調整が効いたりして、というかこれはおそらくそれ自体をユーザーに少しお願いする設計なんでしょうね。自転車のハンドルを持つとかそういう、手の角度をこちらで決めます。

そういうところが最初は少し不慣れだったんだけども、作っていくと分かってきたりして楽しい。実際にはこの頃のキットは良い意味でマシンと人は少し別です。フィギュアスケートの”ショートプログラム”と”フリースケーティング”みたいな感じ。

……なので、フィギュアではいわゆる「フリー演技」が可能です。帽子を後ろ向きにかぶせれば少しかしこまった軍人的な雰囲気も和らぎます。楽しそうですね。こういうことをしてると、模型用の接着剤って、溶かしながらパーツ同士をつけてるんだなーってわかります。

というわけで、今回も前回の記事と同じでタミヤのドイツ歩兵 自転車行軍セットです。箱と一緒にハイポーズ。あれ、よく見ると箱絵と完成品の姿が違う。
そうなんです。今回は2人の頭を交換してくっつけています。帽子を後ろにかぶって疾走する男性と、男前なヘアスタイルでのんびり自転車片手に歩く男性。ちょっとしたアレンジですが、こんなことも絶妙な曖昧さだからこそ、特に加工せずに出来ちゃいます。
説明書の一歩外へ足を踏み出すチャレンジとして、まずはこんな楽しみ方はいかがでしょう。
■タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.240 ドイツ陸軍 歩兵 自転車行軍セット