「プラモと食」、1/35ドイツ野戦炊事セット

夜の住宅街。家々から香ってくる夕食の香り。それを嗅ぐとなんだかホッとしますよね。料理の香りは人の心を柔らかくしてくれる……どこの国の人にとっても共通する感覚だと思います。そして、そんな光景をひとつの箱に詰め込んだプラモがあります。

それが今回ご紹介する「タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.247 ドイツ 野戦炊事セット」です。戦車や兵隊などのプラモでお馴染みのタミヤミリタリーミニチュアシリーズ(以下MM)の傑作で、戦いとは異なる戦場のシーン、戦場での食事を切り取ったプラモです。

▲箱を開けた瞬間から、タミヤMMの解説イラストを多数手がける上田 信さんのワクワクするイラストが登場。レンストランのギャルソンのようにお客様をご案内してくれます。そこには武器の名前ではなく、パンやレンジ、牛乳缶など食にまつわるものばかり
▲軍服だけでなくエプロンを着用したボディのパーツや、食品などがランナーに納められています。とても優しいランナーです
▲こちらは野戦炊飯車のパーツ。煙突やら圧力鍋の口のようなものがありますね〜。そしてハウス名作劇場から飛び出て来たようなミルクポッドのパーツもそのままランナーにはまっています
▲組み上げるとこんな風に前後で連結される車両となります。野戦炊飯車は模型界では「フィールドキッチン」という名でも親しまれています。前部はリンバーといってこちらに調理材料や各種容器が積み込まれます。後部はトレーラーと呼ばれ大型レンジが組み込まれ、容積200リットルのシチュー鍋と90リットル入りのコーヒー沸かし器が配置されています。これ1台で125名から225名の兵士に食事を供給することができたそうです。そしてカラーリングもドイツを代表するジャーマングレー。機能と格好良さを両立していたなんて素敵すぎます
▲トレーラー部分。まさにここが調理台です。中央の圧力鍋は二重底で、内鍋と外鍋の間にはグリセリンが入れてあり、内鍋の焦げ付きも防止したり、保温性も確保されていました。あったかいシチュ〜が戦場でも食べられるよう兵器だけでなく、調理器も進化していったんですね
▲牛乳缶、炊飯容器、食料保存容器。入れ物がないとせっかくの料理や飲み物も意味をなしません
▲炭水化物がないと人は戦えません。小麦とライ麦の混合パンなどが主に出ていたそうです。ドイツパンを出しているパン屋さんは多いので、一度食べて見てはいかがでしょうか
▲ヨーロッパに行くとこれでもかとジャガイモが出て来ますよね。まさにもう一つの主食。ジャガイモは袋にどっさり。さらにキングオブ乳酸品のチーズ、ビタミン源である果物も出されたそうです。リンゴのパーツって塗ると赤いから作品のアクセントにすごく効くんですよね〜
▲この笑顔が彼らの戦いです。前線の兵士の腹を満たし、士気を上げる。このフィギュアも威勢が良さそうですよね
▲チームハラペコ。緊張からの解放。戦場に香るシチューの匂い、これからいただける暖かい料理への期待感でもう笑顔になるしかないですよね

そして全てを組んで配置するとこのような景色が生まれます。箱の中のものだけで、これだけの豊かな情景ができる。とても暖かいプラモです。そして説明書内の解説を読めば、当時のドイツ人兵士たちがどのような食事を食べ、戦場へと出ていったのかもわかります。プラモを楽しみ、食も知る。タミヤ編集によるdancyuのようなプラモ。あなたのご家庭にもひとついかがでしょうか?

■タミヤ 1/35 ドイツ 野戦炊事セット 本体価格1500円(税別)

※本記事はブログ「フミテシ道楽」からの抄録です。

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フミテシ
@neofumiteshi

1983年生まれ。月刊ホビージャパンで12年間雑誌編集&広告営業として勤務。ホビージャパンで様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。「ホビージャパンnext」、「ホビージャパンエクストラ」、「ミリタリーモデリングマニュアル」、「製作の教科書シリーズ」などを企画・編集。