
1/32スケールの接着/塗装不要なカーモデルシリーズとしてスタートし、1/24スケールでもそのラインナップを増やし続ける「楽プラ」ブランドで、ついに『ワイルド・スピード』に登場する主人公ブライアン・オコナーの愛車、JZA80 スープラが立体化されました。両サイドとダッシュボードを折りたためばサクッと完成するインテリア、ツヤツヤのオレンジ色で成形されたボディなどなど、楽プラの仕様を踏襲して劇中車を忠実に再現した内容になっています。
正直なところ、1/32の楽プラというのはパーツ数の制約やプラスチックパーツの厚みの限界などを加味して鑑賞するトイ的な感覚があります。しかし1/24スケールとなると接着剤を使って緻密に組み上げていく従来的なカーモデルのルックと直接比較できることから、これまでリリースされてきた1/24楽プラに対して「色分けのためにちょっと無理してるよな」とか「接着剤を不要にすることでビシッとした佇まいになりづらいな」と思うこともしばしばでした。しかし、このスープラではこれまでの楽プラシリーズで培われてきた工夫がたくさん盛り込まれています。

たとえば窓。5月に開催された静岡ホビーショーにて開発スタッフに「ボディに対して透明パーツをパチっと嵌め込むだけだとアウトラインがキレイに繋がらない場合があるんですよね」とこぼしたところ、「これまでのアイテムのフィードバックから、リアウインドウの先端にベロを取り付けることでより確実な取り付けができるようにしました」という返答が!ビシッと組みたいときは接着剤を併用すべし……と思っている私にとってはすごく嬉しいポイントで、ユーザーがどんな風に組んでいるのか、その結果どんな完成品ができるのかをたくさん観察してきたアオシマが新しいアイテムにその結果をちゃんと反映した設計を取り入れていることが読み取れます。

窓のフチの黒い部分がシールとして用意されているのはこれまでと同じですが、ウインカーやストップランプはクリアシールで色を付けるというのも1/32の楽プラで見事な表現を見せてきたところからのフィードバック。色付きのプラスチックパーツをこまかく分割して組み立ての難度を上げるよりも、シール(あるいは腕に自信のある人なら塗り分け)でよりリアルな表現ができるならそっちのほうがいいじゃん?という歓びがあります。

メッキパーツを含む5色のプラスチックとシールの組み合わせ。そこに「より確実な組み立てを実現するための設計」とこれまで1/32と1/24の各スケールでトライしてきたカーモデルの新たな表現手法を合流させて誕生したJZA80 スープラ。ブライアンの活躍を思い出しながら幅広いスキルレベルのユーザーが楽しめる新たなプラモデルの登場です。「楽プラの組み味」というのは少しずつ変化しながら、一歩ずつ確実に進化しています。みなさんもぜひ組み立て、その感想を綴ってください。そうすればきっと、未来の楽プラがまた少し進化するはずです。