
1984年に放送が開始された『機甲界ガリアン』は近年プラモデルが多数発売されています。ウェーブが主役のガリアンだけでなく敵の量産機プロマキスまで立体化したかと思えば、グッドスマイルカンパニーはガリアン重装改にとどまらずザウエルやスカーツといった個性あふれる機体を発売。さらなるウインガルの発売を予告するなど、その勢いはファンも驚くものとなっています。

ザウエル、それはこのガリアン世界において唯一無二の存在です。劇中ではガリアンに一騎打ちを挑み追い詰めるその性能、そして当時の雑誌『デュアルマガジン』で明かされた「ガリアンに対抗するために作られた機体」というバックストーリー。強い理由がことごとくある、まさにガリアンのライバルであり後に味方にもなる超頼もしい、らしさ満点の機体なのです。

’80年代ロボットらしいふっくらした面構成が最高な胸部パーツ。しかしよく見てください、胸部装甲の境目に階段状のディテールが。この当時はなかった(しかしあってうれしい)ディテールをそっと入れて、現代らしい仕上がりにしているのがすごいところ。

剣の柄なんてディテールビシビシ入ってますよ。デザインをうまく拾いつつ、こうした目を引く洗練されたディテールを入れる「MODEROID流の現代プラモ」は見ていて飽きません。

またMODEROIDならではの塗装済みパーツもあります。首周りの黄色はさすがにパーツとして分割するには細いからか、帯が塗装されています。青に黄色を塗るのはなかなか大変だし、びしっと均一に塗っているの……お上手ですね。ほかにも顔の赤い部分もしっかり塗装されています。

胴体のパーツ構成は色分けのためにすごく練られています。腕や首をつなぐボールジョイントの受けはかなりシンプルですが、現代的な可動をしっかりと持っています。

曲面と曲面がぴったり合わさって、胴体ができていくところも驚きなのですが、胴体が組み上がって驚くのは全体の丸み……シルエットのよさなんですよね。また胸部中央、三角形の黄色部分は胴体の内部を支配する黄色いパーツが下から生えてくる……なんて、設計の妙が決まりまくりなんですよ。あと頭頂部のラインとか、おでこがちょっとだけへこみつつ全体を前に集めてくるところ、褒めても褒め足りないですよ。

関節には可動に向かう細かいシステムがキマっています。ボールを部分的にへこませて、受けには引っ掛かりをつけておく。こうすることで特定の角度以外なら抜け落ちないような工夫になっているんです。

足側でも膝と足首の伸縮が搭載されています。足首も軸が抜けないようにストッパーがあり、膝の水色のパーツがスライドし、膝も足も動く範囲を圧倒的に拡大します。ぐっと踏み込んだポーズがしっかりできるように、動かしていて抜け落ちないように、各部の関節がシンプルだけどしっかりと考えられた設計になっています。

この剣、秘密がありまして。劇中ではぐるぐると回転するんですよ。だからどっちかと言えば斬るより突くアクションなんです。この回転剣の秘密も当時の『デュアルマガジン』誌に書いてありました。”超硬質のガリオネットによる装甲でも、絶対ではない。”当時の解説も重厚なのです。

MODEROIDは設定画のザウエルをここまでよく立体化したという曲面主体の全身と、これを現代的プラモデルとして可動を仕込んで両立させたことです。もちろん当時のプラモもあのボトムズシリーズをやってきたタカラなので相応に良いものだったのですが、それを超えてくる両立っぷり。当時より大きなこともそうですし、みっしりとした物理的な重みがうれしくなります。

プラモデルとしての密度や完成度もそうですが、何より組み立てが考えるより簡単で、サイズやパーツ数のわりに早く完成する、色分けもバッチリ。そして遊ぶときの手触りも良いというところもまたなかなかあります。何よりザウエルとしての曲面表現が素晴らしいので、設定画が飛び出てきたような(しかも新時代可動やディテールも持って)このMODEROIDザウエルは、とにかく触って見てほしい逸品です。