

1984年放送のアニメ『機甲界ガリアン』は、中世のような世界観で巨大ロボットが戦うという独自の設定と、リアルロボット全盛期の熱を受けて生まれました。当時はタカラがスポンサーを務め、プラモデルの展開も充実。その中でも“重装改”という強化形態が、早い段階でビジュアル公開されていたことから、通常版ガリアンはやや影の薄い存在に。ファンの間では「どうせあとで強くなるのが出るんでしょ?」という空気もありました。

そんな中、2023年にWAVEが新たに発売したのは、あえての“通常版ガリアン”。パッケージイラストは、当時のタカラ版を彷彿とさせる重厚なタッチで、ファン心をくすぐります(追記/訂正とお詫び
パッケージアートについて、ウェーブのガリアンシリーズはコン・ヨンソク(공영석)氏で、ガリアン、プロマキスともに氏のパッケージアートでした。お詫びして訂正させていただきます。)。これだけでも「買う理由になる」と感じた方も多いはず。

そして、今回のガリアン、何より顔が良い。マスクがひさしとほぼ同じ高さで、下から見たときの迫力が抜群。トサカにかけてのラインも絶妙で、ガリアンらしい“重厚で凛々しいフォルム”が見事に再現されています。

設計面では、当時の設定画を元にしながらも、2020年代のモデリング技術で細部をブラッシュアップ。キャラクターモデルに強いWAVEと、航空機模型で定評のあるアカデミーのタッグが、精巧なディテールを実現しています。


主役である我らがジョルディ王子も、着座姿勢で立体化。つまりコクピットも再現されており、ロボットのスケール感が直感的に伝わってきます。黄色い胴体中央部がハッチで、そこから乗り込む構造。さらに、腰の可動ギミックがコクピットの後方からうにょっと伸びてくる設計は驚きの一言。

そしてガリアンと言えば「ガリアンソード」。通常時は剣、変形して鞭のようにしなる中距離武器になるこの蛇腹剣は、後の様々な作品に影響を与えた元祖です。『ソウルキャリバー』のアイヴィーが使う武器の元ネタとしても知られていますね。

組み立ては接着剤不要のスナップフィット式で、パーツの合いも良く、サクサク進む快適さ。パーツのシルエットも美しく、滑らかな曲面や微細な造形の再現度が高く、手に取るたびに感動があります。

さらに、黄色の帯状ディテールを色分けパーツで再現するなど、組みやすさと見映えを両立した工夫も秀逸。

ガリアンはアニメ内で唯一、飛行形態に変形可能なメカ。飛ぶことで長距離侵攻や単独行をこなし、一騎当千の活躍を見せます。腕を縮めておじぎ態勢から飛翔するという構造。シンプルではあるんですが、意外と細かいところがあって、腕が縮む以外にも足首が前にせり出せるようになっていたりします。

ガリアンとガリアン重装改のちがいといえば、変形機構にあります。これがどう変わるか、けっこうびっくりするメカなんです。ここの違いこそ最も楽しみなところ。

そして何より重要なのは、WAVEがこの“通常版ガリアン”からラインナップを始めたという点。これは「ボトムズのように長く展開していきますよ」というファンへのメッセージであり、本気の姿勢を示すもの。まずは原点を、というその誠実さに、ガリアンファンとして感謝と期待を込めたいと思います。