
鎖かたびらにバケツのようなヘルメット。そんな装備で戦った騎士たちの姿は、はるか昔の歴史の中にある。けれど現代を生きる私たちにとっては、史実よりも物語世界に現れる存在としてのイメージが強い。実際にあった歴史なのに、どこか幻想の中のできごとのように思えるのは、なんとも不思議な感覚だ。のちの時代のプレートアーマーとは違って目にする機会が少し珍しい分、典型的なファンタジーよりもさらに古風な良さがある。

ミニチュアゲームのウォーハンマーが国内で広まれば広まるほど、「海の向こうの世界はどうなんだろう」と気になってくる。海外サイトを巡ってみると本当に色々なメーカーがあるが、なかでも「Wargames Atlantic」と「Victrix」の2社は、王道でクセのない中世ファンタジーといった具合の製品を出している。そして、どちらも同じように「鎖かたびらにバケツ型ヘルメット」の騎士たちをリリースしているのが面白い。

Wargames Atlanticの騎士だけを作っているときは気づかなかったが、こちらはどちらかというとファンタジー寄りというか、ゲームのキャラクターのような雰囲気がある。ディテールはしっかりしているけれど、全体の仕上がりは少し丸っこくてかわいらしさすらある。それでも、サーコートの形が格好良かったり、盾を運ぶためのベルトを肩からぶら下げていたりと、デザインに機能性とリッチさがあるのが魅力だ。
一方で、今回作ったVictrixの方は造形がシャキッとしていて、より史実の空気感に近い。細かすぎるといってもいいくらいの鎖かたびらやヘルメットの彫刻は見事としか言いようがないし、衣服のシワの表現も非常に細かい。ゲームのコマであると同時に、純粋に騎士の模型としての良さも備わっている。

どちらも胴体に頭と手を付けるだけの簡単なプラモデルだが、メーカーが表現したいものの違いがこれほどはっきりと差になって現れるのは見ていて楽しい。少し待てば海外からでも容易に買える時代だが、どちらの製品も同じランナーが複数枚入っている仕様だ。だからこそ、同じように気になっている人を探してランナーを交換してみるのも良いと思う。

互いに別のメーカーが気になっている、なんてことはよくある話だし、趣味が似ているので気が合う可能性も高い。実際に、私の手元にあるVictrixのプラモデルも交換して譲り受けたものだ。これくらいの程よさのある中世の騎士のプラモデルが、海の向こうにはあるんですね。
>Medieval Foot Knights – Victrix Limited
>Foot Knights (1150-1320) ― Wargames Atlantic