
完全新金型……!なんて力強く美しい響きなんだろう。ブランニューであり、パーフェクト。そんな期待感で胸が高鳴ってしまうのだが、それにしっかりと応えてくれたのが『エリア88モデリングミッション2』の付録である「完全新金型1/144スケールF-20タイガーシャーク」のプラモデルだ。
小さくてもしっかりシャープなインテークや翼のエッジ。流し込み接着剤で組むと分割がどこだか判らなくなるほど精度の高い嵌合。ただのオマケではない、ハイクオリティなスケールモデルだ。

航空機マンガ『エリア88』に登場するタイガーシャークの魅力をしゃぶり尽くすかのように繰り広げられるタイガーシャークの作例、作例、作例……!群れ!どのページをめくってもタイガーシャークor新谷かおる(インタビュー)が現れるハイな書籍だ。その中でも興味深いのは、過去に7社のメーカーから販売された13点のタイガーシャークのプラモデルが掲載されており、しかも未組み立てのランナー状態で紹介されていること。面白いことに、どのメーカーもパーツ構成がそれぞれ違う。胴体、主翼、尾翼をどのような組み合わせで一体化し、分割とするのか。様々な手法と個性が理解できる。

そして付録のキットは、どのメーカーとも違う分割構成のキットだということが判明する。企画はモデルアート、金型製作と生産は韓国のアカデミー社だ。最大の特徴は、主翼・水平尾翼・胴体下部が一体となっていること。4枚の翼の角度が完全な左右対称でビシッと決まることが約束されている。エアブレーキ展開時の角度が固定されたパーツも嬉しい。

主翼、尾翼、左胴体、右胴体、コクピット、この4パーツで上の写真の状態まで出来してしまう。超音速の快感だ。ランディングギア収納状態のパーツもあり、飛行状態の組み立てならかなりのスピードで完成するだろう。しかし着陸状態はランディングギアのパーツが超極小で接着の難易度はかなり高いと思われる。実際大変だった。

ミサイルの造形は、1/144でここまで出来るのかと驚嘆する。既に羽が生えていて切り出すだけだし、指紋よりも細いモールドまで彫刻されている。

水転写デカールもしっかり付属している。シンのパーソナルマークであるユニコーンのグラデーションもこのサイズながら美麗な印刷。今更気づいたのだけれど、よく見たら半人半獣なんだな。極小のものや、超細いラインもあるので、ここは実力が試されるところだろう。テクニックorスルー力(りょく)が。

エリア88を初めて読んだときに衝撃を受けたのが、着陸するときの「ドピュッ!」というオノマトペだ。ランディングギアのサスペンションが受ける着陸の衝撃、タイヤと滑走路との激しい摩擦、それらが同時に表現された素晴らしい音。だからどうしてもランディングギア展開状態で組んでみたかった。出来上がったのは、マンガのページからそのまま飛び出してきたかのような小さなプラモデル。オーバーなパネルラインのディテールはクッキリとした造形で見栄えがよく、まるで漫画のタッチのような力強さに溢れている。