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マクロレンズなら軽くて安くて寄り放題、AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8Gでプラモデルを撮ろう。

 買いました。ニコンの一眼レフユーザー(およびミラーレスのZシリーズでまだおいしい焦点距離のマクロレンズが出てないねぇとお嘆きのアナタ)にしか刺さらない話なんですが、模型を撮影するならMicro NIKKORの40mmなんじゃないかという結論じみたものが出たのでそうしたらとても幸せ度が増したぞというわけです。

 なにしろ安い。安いというのは品質がそれなりということです。持った瞬間伝わってくる軽さ、そしてピントを合わせようとすると繰り出される前玉。でもこれがnippperで毎日毎日模型の写真を撮るのに適していると確信したのです。なぜか。家には本当に嫌になるほどレンズがあって、それぞれに特徴があり、高価なものには当然高い理由があるわけですが、この安くて小さくて軽いレンズじゃないとしっくりこないポイントがあったからなんですよ。

 そもそもNikonにはAPS-Cサイズのセンサーだと90mm換算になる60mm/2.8という最高のマクロレンズがあり、これを私は模型撮影用に10年くらい愛用しています。9群12枚(EDレンズ1枚、非球面レンズ2枚、ナノクリスタルコート)のレンズは極めて鮮鋭な像を描いてくれますし、小さなものだけでなくスナップでもバリッとした画がうれしい。街中でも中望遠っぽく使うと主題のハッキリした写真が撮れてよろしいんですよ換算90mmっていうのはさ。

 しかしですね、プラモデルの標準的なB5サイズくらいのランナーを撮影しようとすると腕を精一杯伸ばして背中をぐぐっと反ったすごい体勢になっても端が切れてしまうのです。これはしんどい。あと最近知ったんですが60マクロってもう生産してないんですね。中古しかないの。怖い!

▲AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G EDでランナーを撮影した。端がはみ出る。腕が短いのもある。

 そこで私が次なる解決策として用意したのがAF-S DX NIKKOR 16-80mm f/2.8-4E ED VRでありまして、これは換算24-120mmというもうズボラな便利ズームなので日常使いに最適、さらに手ブレ補正機能も付いてるし金色に輝く「N」の刻印(=ナノクリスタルコートレンズ採用の証)も入っている。

 これで背中を反らなくてもランナーの全景とかちょっとデカい模型も撮影できるようになった……のですが、こんどは寄りたいときに寄れない。だってマクロレンズじゃないんだもん。そしてなにより、60mmマクロで撮ったときと比べてしまうと描写がちょっと眠いというか、「N」のわりにはキレがないんですよね。これはお値段控えめに作られたズームレンズの宿命です。ちなみにこのレンズも終売らしく、一眼レフの黄昏をひしひしと感じます。

 さて、私が新たに導入しましたるはAF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8Gですよ。なんと実売2万円ちょい。7群9枚のスッカスカの感触、「N」のマークもございません。ゆえに……なのかどうか知りませんが、実写系レビューサイトを見てもですね、すんごい接写の作例とともに言葉少なに「マクロを始めるならまあこれでもいいんじゃない?」「単焦点レンズのはじめの一本にいかがでしょうか?」みたいな控えめの文が添えられるのみ。これじゃあ「とりあえず近くのものが写る」ということしかわからない。

▲AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8Gなら腕が短くてもランナーが全部入る。ほんの少し歪みが気になるけど。

 いざ使ってみると、40mm(=換算60mm)って案外遠近感が強く出るので、模型撮影ではカタチが歪んで見えるからあんまり良くない……と私は習っていたんですが、ぶっちゃけランナーを撮るとかすっげえ近くに寄せてパーツを臨場感ある見た目で撮るならこっちのほうが全然良いなと思ったんです。

 そんでもって、nippperの画像って幅1600pxしかないので「歪ませたくなければちょっと離れて撮影してから真ん中だけトリミングすればいいじゃん」と思えるようになったんですよね。そうすると被写体が画面の真ん中1/3くらいに写っていればオッケーなので、あとは寄って撮るか引いて撮るかをその都度コントロールすれば良い。写真は身体性だぜ……なんて言葉がありますが、単焦点はまさにそれ。そして通常のズームレンズと違うのは、寄ろうと思ったら無限に(レンズのフードが当たるまで)寄れる、ということです。これはすごいぞ。人間ズームだ。ウオオオ。

▲うわ〜!ぶつかる!!

 飛行機模型の計器盤を接写じゃ〜!と寄ってみたら、机に置いたランナーとそれにぶつかるほど寄せたフードがお見合いを始めてもまだオートフォーカスが効く。ここでもピントが合ってしまうのだ。マクロレンズってエラいね。まあガンプラの全体像とか飛行機や戦車や戦艦の全体像を撮るのにマクロレンズなんか全然要らないんですが、ぐぐっと寄って細部をクローズアップするならやっぱ必要ですマクロレンズ。

▲ここまで寄っても大丈夫なタミヤがむしろスゴい

 肝心の描写もしっかりキレのある印象で、安かろう悪かろうという感じはまったくありません。強いて言えば外で太陽がビカビカの日にいろんなシチュエーションでボケがどうしたフレアがどうしたみたいな話はあるのかもしれませんが、こちとらプラモデルを撮るために買ってますからそんなんは気にしません。そもそもレンズは先述したとおりいっぱい持ってるし……。ということで、ニコンユーザーでFマウントにまだしがみついていてもうちょっと模型を撮るつもりがあるあなた、巷の評判(がないこと)など気にせず40mmのf2.8を買いましょう。NIKKORのなかでもあんまり目立たない存在ですが、ニッパーを持つ者には強い味方になってくれます。そんじゃまた。

からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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