
エクスプラスの『ユニバーサル・モンスターズ』シリーズに待望の狼男が登場しました!人から変身して獣の姿を纏うという代表的なモンスターアイコンである狼男、モチーフとなった映画作品はロン・チェイニー・ジュニアの名演が印象的な1941年公開の『The WOLF MAN』。エクスプラスのシリーズは、純怪物的な姿のもの、演じた俳優像を見事に再現したものと、それぞれの視点で高い評価を受けてきました。そして、ついにその2つの視点が合わさったレトロモンスターキットの最新系こそ、この狼男です。これまで以上に造形表現への期待が高まるモチーフ、その姿を見ていきましょう!


箱を開けるとまず飛び込んでくるのは大きな透明パーツ。そうです映画『The WOLF MAN』のビジュアルを表現するのに欠かせない特殊効果“霧”です。単体の透明パーツとしては昨今のプラスチックモデルではなかなかお目にかかれない存在感を放っています。

掴める霧です。薄らとスモークのかかった透明度が霧のイメージを高めてくれます。

次に登場するのは“木”です。これがまた絶妙なデフォルメ具合で、劇中セットの雰囲気を複数掛け合わせつつ、木肌のモールドもしっかりと入っています。分割はありますが、キットではすでに組み合わさった状態でパッキングされていました。霧と共にこのビニールパッケージの状態からテンションが上がります。

木だけでもこれだけのボリューム!開口部が一箇所設けられていますが、ここが本キットの構成の妙。特殊効果の立体化に欠かせないポイントです。

組み立て説明書の毎回のお楽しみPRO TIP!コーナーは“のばしランナー”です。頭部の分割線をスパチュラとブラシを併用して馴染ませるやり方が紹介されています。エポキシパテを使うのももちろんですが、同様の材質でテクスチャーを馴染ませていく楽しさはプラスチック素材ならでは。是非チャレンジしてみましょう!

フェイスパーツ、ロン・チェイニー・ジュニアが扮した狼男の表情が活き活きと彫刻されています。特殊メイクの下にある人の顔まで伝わってくる造形、そしてスケールに合わせた獣毛の細やかさも必見です。

逞しい上半身も見所が満載。自然なシャツのシワ、シャツの内側にある形が見事に表現されており、素晴らしい量感です。人間から変身することで纏う獣毛が、内から外へと形の張りを作り出している状態をここまで見せてくれる狼男モデルはかつてないと思います。頭部や手足の見える獣毛だけでなく、こうして覆われた部分の量感からも半獣半人の狼男らしさが表現されていました。身体の前後を接着した時に見ることのできる背筋は必見です。

十重二十重(とえはたえ)に地面や草のテクスチャーが施されたベースパーツ。狼男を立たせるダボはしっかりとした深さで設けられており、接着剤を入れなくてもしっかり着脱が可能になっています。お馴染み銘板凸モールドも。

手足も非常にシンプルな構成ですが、量感にあふれた身体を支えるためにしっかりとした構造となっています。獣毛に覆われた甲だけでなく、手のひらも妥協なく表情と皮膚のシワが入っています。

狼男の造形を堪能したところで、ベースにセッティングしていきます。霧パーツは木に設けられた取り付け位置一箇所で固定する設計なのですが、これがとても巧みな構成となっていました。全方位から見ても取り付け位置が目立たないように配慮されており、取り付けた瞬間に出現する見事な浮遊感には思わず膝を打ちます。

エクスプラスのモンスターズシリーズの名物である「自由に置いてねグッズ」はランタンです。このレトロテイストのミニチュアランタンがまた素晴らしい出来栄えとなっており、他モチーフのモデルに持たせたり添えたりする楽しみ方もできそうです。同キットの中では数少ない金属素材想定のグッズなので、塗装仕上げの際にも金属表現の腕の見せ所となります。

ランタンをベースに置くも良し、木の枝に掛けておくのも良いですね。

獣毛を纏った人体の表現、衣類のシワのリアリティ、そして霧のエフェクトパーツが生み出す浮遊感。さらに濃いグレーの成型色が、これらの形をより明瞭なものとして味わわせてくれます。最新の造形表現によるリアリティと思い切った特殊効果のパーツ化というコントラストは、誰もが知っているモンスターモチーフである狼男を、誰も見たことのない最新の姿として立体化してくれました。本キットは、エクスプラスが継続するモンスターズシリーズの中でも、ひとつの節目とも言える傑作キットではないでしょうか。皆さんもぜひ最新狼男を目撃してください!