最新記事やプラモデル情報を毎日お届け!
follow on Xをフォロー!

【レビュー】バンダイスピリッツのAT-ATの超クオリティから感じとる、衰えることのないスター・ウォーズの熱量

 1/48スケールのAT-STを組んで、「バンダイスピリッツのSTAR WARSプラモがスケールモデルの振る舞いしてい凄い!」と興奮した。しかし、より巨大な4脚歩行メカであるAT-ATのキットの方にはどうにも興が乗らなかった。それは1/144スケールという数字によるもので「プラモとしては小ぶりになっているんだろうな」と勝手に決めつけていたからだ。

 ところが先日、模型店でAT-ATを見つけたら思っていたよりも箱がデカい。思わず購入して箱を開けるとボリューミーな頭部パーツと胴体パーツがドンとランナーに収まっているうえ、シャープな彫刻がビシーッと刻まれていてメチャ格好良い。組む前からその貫禄を前にして「インターネット見ただけで決め付けるのはホント良くないな…」と反省から始まったのだった。

 キットのプラ成形色はグレーを主として赤いクリアパーツ、白の雪ベース(氷の惑星ホスの情景)の3色となる。このAT-ATにも「スター・ウォーズのスケールモデルをやるんだ!」という意気込みは見受けられ、頭部コックピットと脚部にはその思いを強く感じる。帝国軍パイロットは細かいながらしっかりとヘルメットの造形が刻まれているし、その独特な意匠はシールで再現できるようになっている。それもテトロンシールと水転写デカールの2種用意されており「イージーモデリング」と「緻密なディテールアップ」を選択できるのがバンダイスピリッツらしい心遣いだ。

 このキットで特に目を見張ったのが4本の脚部。「接着剤不要のスナップフィット」というバンダイスピリッツのお家芸が極まっていた。映画ではノソノソと歩む巨大4脚歩行メカながら脚部の機械構造がナゾに動きまくっていて「どうだ!リアルなSFメカだろ!?」とジョージ・ルーカス(っていうかジョー・ジョンストン)のドヤ顔が目に浮かぶのだが、バンダイスピリッツはそれを極力再現しようと努めている。

 脚部パーツのいくつかは脚の動きと連動するように構成されているし、膝軸の謎プレートの回転を再現できるし、シリンダー部は付け替えパーツを無数に用意して可動の表情付けができる。そんな複雑なパーツ構成をしながらも、ポージングするには充分な保持力を有していることには脱帽でしかない。

 バンダイスピリッツのスター・ウォーズプラモの異様な力の入れようを見るたび、それに受け取るファンの層の広さと深さを想像する。撮影用プロップという「実物」に対する正確さ、誠実さを求められるモチーフなのだろうが、逆にメーカーの実力の見せ所にもなっており、それゆえ尽力を惜しまないシリーズとしてリリースされているのではないだろうか?
 小学校入ったくらいに親に連れられてスター・ウォーズを映画館で観ているのだが、その魅力を把握できたのは十代後半に入ってからだったりする。そう、自分にとって同作は「時代のいち風景」という印象が強く、一歩引いてその熱気を眺めていたフシがある。時を経て、スター・ウォーズプラモの異様なクオリティから、他の映像作品とは一線を画する熱量をいまだ有し続けているのだと感じ取れたし、プラモを通じて「スター・ウォーズの凄み」というものにようやく気付かされたとも言えるのだ。

関連記事