

結論からいくと「アクリジョンの筆塗り」で右のようにピカピカ、ツヤツヤにできる。左は筆目があるがしっかり色は塗れている。アクリジョン筆塗りが楽しめる最も大事なコツをお届けしよう。

市販の模型用塗料をひとつひとつ解説している本「モデルアート ゼロからはじめる塗料選び」において、私はGSIクレオスの水性塗料である「アクリジョン」に正面から取り組んだ。この塗料は無臭で、さらに水で希釈や洗浄ができる塗料。だから塗装環境を選ばないメリットがある。
ただし、これまでのラッカー塗料などと使い心地が大きく異なっていたので、「いつものように塗れない」という評判だけが一人歩きしてしまった。しかし、アクリジョンも発売当初とは状況が変わっており、さらに近年の筆塗りブームで「水性塗料には水性塗料の扱い方がある。(ラッカー塗料を使う時と同じようにしない)」という知見が広がってきた。そんな時期だからこそ、改めてアクリジョンをたくさん使って、詳細なレポートを本誌に収録した。アクリジョンの筆塗り、エアブラシ塗装にチャレンジしたい方はぜひ手に取って欲しい。今回はそんな中から、筆塗りに関する「最も大事なポイント」をご紹介する。

筆でしっかり塗るためのポイントはただひとつ。最初は色が出なくても、膜を作るだけでいいから全体を薄くくるむ、というところ。「最初は地肌が丸見え」とい思えるレベルにとどめてみよう。止まる勇気こそアクリジョン筆塗りの勝利の鍵なのだ。地肌が丸見え状態で止めて、完全乾燥させてから再度塗る。それを繰り返すのだ。そしてその塗り方を覚えたら、アクリジョン リターダーを塗料に少量入れて塗ってみよう。さらに塗りやすくなり、アクリジョンを自在に操れるようになる。


アクリジョンは登場当初こそリターダー系の存在がなく、乾燥がやたら早い塗料としてコントロールが難しく、筆目が残りやすいと思われていた。隠ぺい力もそこまでないのでつい塗りすぎてしまったり、さらにエマルジョン系なので下地を溶けず、結果として筆目がわだちのように残ってしまったり……など、他の種類の塗料のラフな使い方に合わせるとすべてミスにつながる性質があった。

端には色が乗らないし、焦ってこってりと乗せようとばかりして、結局失敗してしまう。こういうテロテロでエッジがまだ透けているようなひどいパーツを作ってしまったら、普通に「アクリジョンなんて……」という気持ちになってしまうだろう。

現在ではアクリジョン リターダーで流展性を高めて平滑になる時間を稼ぐこともできる。隠ぺい力が強いアクリジョンが欲しければアクリジョンベースカラーを使えばOK。アクリジョンベースカラーを下地にしたり通常カラーに混ぜることで隠蔽力の調整も可能だ。そしてエアブラシなら専用のうすめ液がある……。と、その使い方を理解すればレジンや金属でも塗ることができ、ラッカー系すら上塗りできる強い塗料であることが活かせる。

この本が出て、ようやくアクリジョンの性質について整理できたと思っていたところに、なんと「ガンダムアッセンブルカラー」という新しいアクリジョン塗料が登場することが発表された。新塗料ガンダムアッセンブルカラーを使いこなすために、まずアクリジョンってどんな塗料なの? と思ったら、ぜひ本書で解説に目を通して欲しい。