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【レビュー】速くて強いボークスの新しいプラモ用接着剤「フローセメント」でABSパーツの合わせ目も攻略だ!

 「ABSパーツってフツウのプラモデル用接着剤では接着できないんですよね?」という誤解を、今こそアップデートするときが来ました。ボークスが発売した新しい流し込み接着剤「フローセメント」は、PS(ポリスチレン)素材だけでなくABSにも対応。これはもう、ガールズプラモや他メーカーのロボットプラモで試すしかない!ということで、今回はボークスの「ブロッカーズFIORE コスモス」と、バンダイスピリッツの「HGUCメッサーラ」のABSパーツを相手に、その接着力と“合わせ目消し力”を検証していきます。

 まず、FIOREコスモスの太もも裏などに見られる合わせ目部分に注目。精度の高いパーツ設計ゆえに、パーツ同士を組み合わせてから流し込むスタイルが基本。ここでフローセメントの出番です。合わせたラインに接着剤をジワッと流すと、潤んだようにツヤが出る。これが、溶けて密着していくサイン。慎重にそのラインを追いながら、表面をなぞるようにもう一度塗る。これが「接着のための1回目」と「合わせ目を消すための2回目」、2段階の接着プロセスです。

 流し込み接着剤の特徴は、毛細管現象でパーツの隙間にスルスルと入り込むこと。だからこそ、精密な関節部などは慎重に攻める必要があります。とくに複数のパーツ複雑に組み合わさる部位では、パーツの動きを妨げないように片面から少量ずつ流すのがコツ。流しすぎは禁物です。

 しっかり固まったら2回目の塗布。乾燥した接着面がやや白っぽく光沢が落ち着いたように見えたらヤスリがけを始めます。番手は400番〜800番、平面には硬い当て木を使ったり、スティックタイプのヤスリを使います。曲面にはスポンジヤスリや丸めた紙ヤスリを使って表面を慎重に整えます。

 乾燥が速く、パーツ同士が確実に溶着するので一晩待たずとも合わせ目消しを行えるのが最高。驚いたのは、普段扱い慣れているPS樹脂だけでなく、ABS素材同士やABSとPSの組み合わせでも「お互いがちゃんと溶けてくっついているいる」という点。これまで「ABSは専用接着剤か瞬着しか使えない」と思い込んでいた人にこそ試してほしい接着力です。

 ボークスのフローセメント、公式には「他社製プラモデルへの使用については、ABS樹脂の材質や配合が異なる場合があるため、接着性能を保証できません」というアナウンスがされていますが、ここはガンプラのABS製関節パーツでも使えるのかを実際に試してみましょう。

 流し込んでの接着、溶着、合わせめ消しについては問題なくこなせる……という印象でした(ただし、ABS樹脂の成分配合によって接着性能は変化することが予想されますので、必ずランナーなどの不要部分で接着テストを行うことを推奨します)。
 やはりここでも作業テンポの良さが印象的で、乾きが早くてテンポよく次の作業に移れることでプラモデルがどんどん進むのが嬉しい限り。接着して、軽く乾かし、すぐにヤスリがけへ。この流れが止まらないのは、まさに“速乾”という武器のなせる技です。

 スタンダードタイプは有機溶剤のあの「懐かしさ」も感じる香りですが、ウェルネスタイプはまったく違う。パイナップルのような芳香は、ニオイを気にせずに作業したい人にこそぴったり。とくに家庭内で作業する方や、体調に気を使いたいときには大きな助けになるでしょう。(※ウェルネスタイプには使用時に周囲へ注意喚起できる「刺激臭」がありません。周辺にお子様がいる際のお取り扱いには細心の注意を払ってご使用ください。)

 「プラモデル用接着剤なんてどれも同じ」と思っていたら大間違い。フローセメントは“合わせ目消し”のための武器としても、“ABS接着”の突破口としても、かなり頼れる存在です。このレビューはあくまでも筆者が試してみて接着できた例であり、ご使用にあたっては必ず接着テストしてからを推奨しますが、ボークス製キットはもちろん、他社製のマルチマテリアルなキットを触るときには必ず思い出してほしいアイテムです。発売以来、ウェルネスタイプは全国のボークス店舗やオンラインストアで完売が相次いでいましたが、7月5日より追加生産分が販売開始となります。この機会にぜひ手に入れてください。

けんたろうのプロフィール

けんたろう

各模型誌で笑顔を振りまくフォトジェニックライター。どんな模型もするする食べちゃうやんちゃなお兄さんで、工具&マテリアルにも詳しい。コメダ珈琲が大好き。

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