
■本記事はボークスより商品の提供を受けて作成しています(PR)
ボークスが『ファイブスター物語』のGTMをインジェクションプラスチックキットとして立体化していくVSMSの第1弾「ダッカス・ザ・ブラックナイト」に続く2作目、VSMS 1/100 ゲートシオンマーク3 リッタージェット・破烈の人形 (ホークヘッド)が発売されました。すでにインボックスレビューとしてフレーム状態で組み上げたところでインプレッションをお届けしていますが、今回は外装を組み付けて破烈の人形がその姿を現すところまでを追っていきましょう。

プラスチックパーツはメタリック粒子を混ぜ込んだクリアーブルー、透け感のごく少ない乳白色、フレームを中心に配される暗いメタリックグレー、そして腹部や腰前部装甲にあしらわれるクリアーの4色。ABS、PS、TPEと異素材を組み合わせることで可動性能とパーツのシャープネス、そして塗装のしやすさも考慮されています。接着にはボークスのフローセメントが適しているのでこちらを使用することを推奨します。

頭部はフェイス内側を除きほとんど外装の組み合わせで構成されています。頭頂部の装甲をゴールドで、瞳と耳飾りのようなユニットを説明書の指定通りに塗り分けましたが、それ以外は成形色のまま。チョイ塗りではありますが、頭部は鑑賞者の視線が集中するところなので色数を増やすのがオススメです。設定通りの塗装を追求する場合はさらにこまかな色差しが求められますが、パーツ分割も塗り分けラインの彫刻も適切に設計されているため、スミ入れを併用すれば難度は高くありません。

腹部蛇腹ユニットは可動式/固定式が選択式。胸部も含め、基本的にはフレームを組んだ後から外装を取り付けられる構成になっています。GTM特有の重層的かつ水平垂直を外した外装の位置関係もピンとダボが巧みに配置されているので迷うことなく組み付けられます。腰ユニットと腹部ユニットを接続するボールジョイントがやや小さいため、ビシッと真っ直ぐな立ちポーズにしたい場合は奥までしっかりとハメ合わせておきましょう。

VSMSの良いところはパーツ数をむやみに増やさず、一体化可能なところはなるべく大ぶりなパーツで全体を構成することによって組み立てのスピードと完成時の剛性感を担保しているところにあると感じます。スネの装甲は大胆な左右割りですが、正面に来る乳白色のパーツによって分割線がカバーされるため、合わせ目が露出する部分はごくわずか。基本的に「切り出し→整形/接着(→塗装)→組み付け」の手順が乱れないよう配慮されているのも本キットの美点と言えましょう。

膝のツインスイング機構や腿上部のロールはかなり保持力があり、見た目以上の可動域も兼ね備えています。足首はボールジョイントによる可動ギミックが仕込まれていますが、こちらはヒールが高く接地面も少ないため、大胆なポーズを取らせるとディスプレイが少し難しい印象でした。こちらは背面の装甲に覆われるフレームパーツにディスプレイスタンド接続用の穴が設けることでフォローされています。

上腕装甲はスライド金型を使用した一体成型となっており、肩関節ブロックと肘関節ブロックを上下から差し込む構造。手首や肘の関節は保持力がとても高いため、上腕部が外れやすいと感じた場合はしっかりと接着することをオススメします。それにしても前腕部の外装が巨大で驚きます。こちらもかなり大ぶりなパーツをビシバシと接着すればあっという間にカタチになりますので、思ったよりもスルスルと魁偉なシルエットが現れるのに驚くでしょう。

背面に展開しているふたつの巨大なフライヤーは肩ブロックから伸びるアームに装備されます。フライヤーは本キットのなかでももっとも大きなパーツで構成されていますが、中空で軽くなるよう設計されていること、アームの保持力がしっかりしていることからどんな角度でもビシッと止まってくれるのが嬉しいポイント。全体に言えることですが、接着剤を付けるべき場所は説明書で仔細に図示されていますので可動ギミックが固着してしまわないようよく確認しながら組み立てましょう。

大型の腰部装甲、スタビライザーやフライヤーが背面に張り出していることでかなり重心が後ろにあるデザインでありながら、GTMならではの関節の位置によってスラリとした立ち姿でのディスプレイにはなんの不安もありません。欲を言えばよりガッチリとした手触りで立ちポーズを楽しむための「固定式股関節パーツ」(同社のIMSシリーズで一部採用されていたもの)も選択できると良いな……と個人的には思いますが、ゼータクな悩みかもしれません。

すべての外装を組み込んだ状態でフカン撮影すると、その情報量には驚かされます。半透明の装甲のおかげで表と裏に刻まれた彫刻が同時に立ち上がり、光を複雑に屈折/反射させているのがわかります。今回は頭部を除き無塗装で組み上げましたが、それでも充分見栄えのする色と質感の組み合わせです。

逆に言えばここから細部の塗装を行うことによってさらに情報量は増すはずです。半透明装甲を活かしたまま各部の白い塗り分けを再現するところが初手だとすれば、ディテールをくっきりさせるためのスミ入れも効果的でしょう。もちろん制空迷彩を想起させるブルーグレーでソリッドに仕上げるのも本騎のイメージの範疇となりましょうし、透過性を活かして装甲の裏面にメタリックカラーを置くのも楽しいはずです。

外装をまとった破烈の人形は、フレームだけを組んでいた時点で想像していたものとはまるで違う印象となりました。透明パーツはただ美しいだけの装飾ではなく、光と影の振る舞いを制御するデザインとしてきわめて効果的です。樹脂の色を存分に活かしたインジェクションプラスチックキットならではの佇まいは、GTMとVSMSの相性の良さを感じさせてくれます。ふつうのプラモを組む道具さえ持っていればまずはこのラインに誰もが到達できるという喜び。そしてその先に、あなたならではの表現が待っています。みなさんも、ぜひ!
>VSMS 1/100 ゲートシオンマーク3 リッタージェット・破烈の人形 (ホークヘッド)