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【レビュー】ボークスから新しい流し込み接着剤が誕生!/ABSパーツもガッチリ固めて動かせるプラモへ

 上の写真はボークスのVSMSダッカス・ザ・ブラックナイト。ABS製の可動フレームに透過性のあるブラック・グリーンのポリスチレン(PS)パーツを接着するキットです。このキットをはじめとしたボークス製のプラスチックモデルに最適な接着剤がついにボークスから発売されました。しかも本格的な流し込みタイプで……。パーツを合わせてスッと流し込むだけで素早くガッチリ接着される快感をみなさんも味わってください。

 ラインナップは「スタンダード」と「ウェルネス」の2種類。それぞれ有機溶剤タイプと低毒性タイプという選択肢となり、用途や環境、そしてニオイの好みに応じて使い分けが可能。とくに注目すべきは、ボークスのキットにセットされたABS樹脂のために開発されたという点。可動部や構造部に多用されるABSと、装甲などに用いられるPS樹脂の両方に対応しており、異素材間の接着も可能というのは、昨今の複合素材キットを想定した、まさに”現代の接着剤”です!なお、ボークス製品以外のABSパーツへの使用にあたっては、必ず事前に接着テストをしましょう。接着剤とABS樹脂には「相性」があり、材質や配合が異なると充分な性能を発揮できない場合があるためです。

 まず最初に驚いたのは、接着剤の「入り方」。ダッカスの各部は高精度に設計されており、合わせ目がぴったり密着する構造になっています。こうした設計のキットにおいては、パーツをきっちり合わせた状態から、細筆付きキャップで接着剤を流し込む方式がベストです。ボトルのフチで筆を軽くしごき、毛細管現象でスーッと染み込んでいくその動きが、じつにスムーズ。パーツの奥までまんべんなく接着剤が届いていく感触に、「これ、かなり使えるぞ……」という確信が生まれます。

 しかもこのフローセメント、ただ流れ込みがいいだけではありません。驚くべきはその乾きの早さ。ピン側に直接塗って貼り付けた場合、わずか4秒ほどで硬化が始まり、手早く位置決めをしてもズレにくい。これ、可動部や複数パーツの位置調整をする場面ではかなりありがたい性能です。

 さらに、今回はとくに重要な可動関節部分のABS素材も接着。肘や膝などの可動部においては、流れ込んだ接着剤が関節そのものに達してしまわないように注意を払いながら、逆側から流し込むようにします。この慎重さを必要とする場面でも、筆先のコントロール性と接着剤の粘度が絶妙で、まさに“仕事ができる”道具だと実感しました。

 パーツを合わせてから流し込むのが難しいところには少しの液溜まりを作るつもりでたっぷりめに塗りつけて、4秒以内にサッと合わせるというテクも使えます。とにかく乾燥が早いので、手早く着実に……。仕上がりは実に良好。装甲のPSパーツと関節のABSパーツが一体化し、乾燥後はカッチリと一体化。SWS(ボークス製飛行機モデルシリーズ)のミサイルのスタビライザーのような小さくて繊細なパーツでもこの接着剤ならば信頼して使用できると確信しました。

 そして低毒性溶剤を使ったウェルネスタイプですが、こちらは思わず「パイナップル!?」と言いたくなるようなフルーティな香り。接着力自体はスタンダードタイプと遜色なく、作業空間のにおいが気になる人にとっては圧倒的に選ぶ理由になるでしょう。作業中のストレスが驚くほど軽減されます。(※ウェルネスタイプには使用時に周囲へ注意喚起できる「刺激臭」がありません。周辺にお子様がいる際のお取り扱いには細心の注意を払ってご使用ください。)

 どちらのタイプにせよ、ABSとPSの複合素材を持つ現代のキットにおいてフローセメントは強力な武器になりそうです。とくに可動モデルをガッチリ組みたいなら、この新しい接着剤は間違いなく味方になってくれます!6月21日に全国のボークス店舗・オンラインストアで発売開始となって以来、完売となっている所も多いとの事ですが(とくにウェルネスタイプ)、順次再出荷されるそうなのでご安心を。それではまた〜。

けんたろうのプロフィール

けんたろう

各模型誌で笑顔を振りまくフォトジェニックライター。どんな模型もするする食べちゃうやんちゃなお兄さんで、工具&マテリアルにも詳しい。コメダ珈琲が大好き。

 

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