

マックスファクトリーのプラモデルブランド「PLAMAX」のストライクドッグは、過去のソフトビニール製キットをプラモデルへと昇華したキット、ということは組み立て説明書内でも触れられていて、当時の製品を知っているとより楽しめる内容になっています。ではそのレジェンドソフビキットはどのようなものだったのか……。

人づてに手に入れたストライクドッグのソフトビニール製キット。完成させた先輩は、「普通のキットと同じだよ~ラッカー系塗料も使えるよ~」と、難しいイメージを払しょくするように語り掛けてくれました。しかし、私の手元には同じアイテムがプラモデル化されるまで、このようにほんのり組み立てようとした痕跡が残るままになったのでした。

当時を知っている人なら当たりまえなのですが、ソフトビニールキットは基本的にはめ込みの回転軸があるのみで、プラモデルのような軸同士の接続もなければ、ヒジ・ヒザの複雑な可動もありません。このキットでは、すね内部にかぶせるための構造があるのみです(左右がちぐはぐになっている……過去の私め)。

ソフトビニール製だからこその柔らかさをこなして、うまく組み立てる……。よぶんな膜をパーツを切り出すときに「切りすぎたらどうしよう!?」と思いつつ、パーツ本来のカタチを作っていく……。パーツの切り出しに、プラモデルにはない緊張感があるのです。

それでも表面のディテールは本当に鋭く、PLAMAXの1/24に継承されるのも頷ける内容。バーニアの球体はソフトビニールではこういうえぐれたものだったんです。しかし6つの穴があるおわんの内部は、現代でもそういうディテールを作る人がいますよね。考え方は全く錆びていない。

だから、ランナー端に当時のディテールがそのまま置けるぐらいなんです。改めて見てびっくりしたところ。1993年のソフビキット開発時に、タカラ製1/24スコープドッグに並ぶものを作りたい……! という情熱があった、と説明書のインタビューにありましたが、確かにその宣言通りの内容だったのは間違いないのです。

ハンドパーツも右手用に3種類付属しています。じつは武器を構える都合か、ヒジ関節の角度も選べるようになっていて、ハンドパーツと合わせて関節固定でも表情付けが可能となっています。

そんなソフトビニール製ストライクドッグ、結構な泣き所が開発段階でソフトビニールの収縮が読めなかったところ。インタビューでは笑い話になっていましたが、最終的に設定より一回りは大きくなっています。H級らしい迫力はあるので玉に瑕、という話ではありますが、今回キットを開発するにあたってその点においても全身に手が入っています。

そして可動。PLAMAX版のストライクドッグは、実はこのあたりもすごいことになっています。昔のキットの体に少しだけ刻まれたディテールを頼りに、プラモデルは関節全体が再構築されています。大きくなりすぎたプロポーションを整えながら、さらにその外皮に関節やコクピットを構築していく……それって、めちゃくちゃ大変なことじゃないですか!

伝説のソフビストライクドッグも見れば見るほど濃厚、というものですが、こうしてほんのちょっとのディテールから全体を作り上げた、現代のPLAMAXストライクドッグも本当にすごい。インタビューで”若いスタッフたち、彼らこそ今回のキーマンですよ。”とMAX渡辺社長が熱っぽく語る、新しいキットを作り上げた人々。図らずも伝説のキットを通じて、新しい情熱をも見ることになろうとは……。こうした寄り道もまた楽しいものですね。