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プラモ筆塗り超人への近道はないけど、良い入口はある/「水性筆塗り」を目指すなら、清水圭のSSD2をいますぐ買おう!

 筆一本で飛行機のプラモデルをめっちゃかっこよく塗れたらうれしい。でもどうやって塗ればうまくいくのかはよくわからない。そんな気持ちにビッチリと応えた『清水圭 飛行機模型筆塗り塗装テクニック』(略してSSD)の続刊、SSD2が発売されました。なんでSSDなのかは買えばわかるのでとりあえず買いましょう。

 エアブラシいらず、基本的にGSIクレオスの水性ホビーカラーを筆で塗るだけ。あとはその薄めかたや重ねかた、トップコートで塗装を保護するタイミングや汚し塗装を入れるタイミング、その道具がキモになります。筆ってヤバいんですよ。どれくらい塗料を薄めればいいのか、どれくらいのスピードでどっち向きに筆を動かせばいいのか、どれくらい塗料が乾いたら次の動きに移っていいのかとか、文字と写真じゃ全然伝わらない。でも本書はなるべく伝わるようにめちゃめちゃ丁寧な写真とテキストで説明してくれます。

 とにかくすごいのは、微妙な色を混ぜて絵を描くように云々……ではなく、特定の飛行機を塗るときに使う市販の塗料のビンをそのまま掲載していること。これは前巻『SSD』でも同様でしたが、色を適切に薄めて重ねていけば混色してベタッと塗るよりももっと複雑で重層的な色味になって面白いのよ〜ということがよく分かるんです。まあ正直実際に筆動かしてるところを見たほうが理解度は倍増するので、本書を発注する人はもれなく『スケールアヴィエーション』の’25年1月号も買って付録のDVDを100回再生しましょう。

 筆塗りのいいところはエアブラシを立ち上げて塗料うすめて窓開けて換気しながら吹いてハンドピース掃除して……という手間をすっ飛ばして、「塗料と薄め液があればおもむろにぺろぺろ塗れる」という点にありますが、だからと言って簡単にキレイに塗れるかと言ったらそうでもない。うまく塗るにはちゃんと理論と練習が必要なんですけども、それをある程度体系化して(しかも水性ホビーカラーのビンそのままという誰でもアクセスできる入口を起点に!)説明しているところがすごいと思うんですよね。

 かく言う私もこの本を読みながら二式水戦を筆で塗り始めたんですが、これがまあ面白い。簡単ではないけど、面白い。ムキになって塗っていると、「お、これはかっこいいのでは」と思う瞬間がある。いい感じに見えるまでネリネリと塗っていられるのも筆のいいところで、一朝一夕にいきなり筆塗り超人にはなれないんですけど、なんかなれそうな気がしてくるとか、これから超人になれるんじゃないかな……と思わせるだけの説得力があるんですよねSSD2には。
 ということで、「筆塗りに近道はないけどナイスな入口はあるんだぜ」ってことで、この本をぜひとも手にしてください。できたら前巻とセットで買うと、さらにいろんな飛行機模型に対応できるようになるよ。もちろんキャラクターモデルにも応用可能です。そんじゃまた。

からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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