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言葉が通じなくても「スケール」で分かり合える/パリで模型店に行った話。

 「ここで取り扱っているのは1/48キットが大半だよ」
 慣れ親しんだ1/48というスケールを伝えられた瞬間、異国の模型店での不安が吹き飛びました。
 パリに到着して数日。二度目ということもあってか意外にもやることがなくなってしまいました。ルーブルもオルセーも見た。今回の旅の目玉の「貴婦人と一角獣」が所蔵されているクリュニー美術館はストライキで閉鎖。最終日、飛行機までの数時間やることがなくなってしまった私はパリの模型店を訪れることとしました。
 しかし、驚くことにパリにはほとんど模型店がないのです。ガンプラなどのキャラクターモデルを扱っているお店は何軒かありますが、スケールモデルを扱っているお店はほとんどありません。フランスにはエレールという一大メーカーがあるので大丈夫!……などと気楽に構えていましたが、さっそく雲行きが怪しくなってきました。
 Google Mapを駆使しなんとか一軒スケールモデルを扱っていそうなお店を見つけ、向かうこととしました。その名も「Quarter Kit Model Shop」。戦車などのAFVをメインで取り扱っているお店のようで、オリジナルのレジン製キットも売られているようです。

 「ボンジュール」と慣れないフランス語で挨拶をし、店内に入ります。目に飛び込んで来たのは巨大な棚、ラベリングされ整然と積まれた白い箱。イラストが描かれた箱が並ぶ日本の模型店を想像していた私は、まるで倉庫を思わせるような店内に少し困惑し、ぼーっと立ち尽くしてしまいました。
 すると店内にいた店員さんがフランス語で話しかけてくれました。あたふたしていると「何を探しているの?」と英語に切り替え質問してきました。

 「キットを探している」と答えると先ほどの棚を指差し、「ここにあるキットは大半が1/48だよ」と彼女は言いました。1/48、日本で慣れ親しんだお馴染みのスケールです。その瞬間、私はすっかり安心しました。日本とは全く異なる土地にいながら、スケールという共通の物差しで、それがどのようなプラモデルか実感を持って伝わってくるのです。彼女は「奥にはタミヤやエレールのキットもあるよ」と私に教え、持ち場に戻って行きました。

 遠い異国の地で日本の2倍近い値段をつけられたタミヤ製キットと再会を果たした私は、日本ではあまり見ることのないAKインタラクティブのフィギュア Hunting & Fishingを購入し、帰路につきました。
 商品の陳列方法も言語も違うけれどスケール表記は変わらないんだな、と至極当たり前のことに気付かされたできごとです。

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