

お盆休みに近所を歩いていると、トンボが弱った虫を運んでいた。目の前の親子がグルーっと顔をこちらに向けているから何事かと思い、視線の先に目をやると、かなり重そうにフラフラと飛んでいたのだ。あまり見ることのない風景だったので私も同じようにしばらく見ていた。羽根がバチバチと高速で動く様子をここまでじっくり見られる機会も珍しい。
DUNE 砂の惑星に出てくる、オーニソプターはトンボの羽根を模したような翼が特徴だ。映画を見てかっこいいなと思った乗り物で、是非プラモデルを手に入れたいと思っていた。お店に置いてあったのはMENG MODELの手のひらサイズのシリーズで、6枚の翼で飛ぶタイプ。

このプラモデルは脚を差し替えることで飛行形態と着陸形態が選べる。飛んでいる状態で飾るためのスタンドがついているのもありがたい。それに6枚の翼はそれぞれ可動するので、翼の羽ばたきを表現するのが楽しそうだ。
箱を開けて最初に目に飛び込んできたのはコックピット部分のパーツで、竹を割ったような左右分割の機体に対して被せる形で取り付ける。その設計のおかげで、合わせ目が発生しない。顔に当たるような部分がそのように配慮されていることがパーツを見ただけでわかり、組み立てる前から楽しい気分になった。

しかし、このプラモデルがとても良いものだと感じたのはここからだ。筋肉のような有機的な曲面で構成されている機体は思ったよりも生き物っぽい。羽根もカッターナイフの刃のように薄く、それが生々しさに拍車をかける。
6枚の羽根を備えたハルコンネンのオーニソプターは、小さなプラモデルになることによって、現実を飛び回るトンボに近しい大きさで目の前に現れた。生々しさの原因はこれだった。先日見かけたフラフラと羽ばたいていたトンボの姿が私の頭の中で尾を引いていたのだ。
トンボとオーニソプターが似たようなサイズ感になる。それだけで空想上の乗り物が途端にリアリティを持ち出すのが面白い。それに、気になったプラモを買ったからこそ出会えた経験だと思うと、また次も買ってみよう、仕事帰りに店に行ってみようとワクワクしてくる。