

「私のプラモデル人生の出発点は、父の作る無塗装カーモデル」でした。今は亡き私の父はプラモデルと車が大好きだった人で、家族でおもちゃ屋さんに行くと父も自分のプラモデルを買っていました。父がプラモを作っている様子を隣で見ているうちに、自然と一緒に作るようになっていったのです。
ただ、父のプラモデルの楽しみ方は今の私のやり方とはだいぶ違います。カーモデルを1日か2日で作ってしまうのです。 それもそのはず。父は一切塗装をしない無塗装モデラーでした。

キットを買ってきたらニッパーと接着剤でパチパチと組み立ててあっという間に完成させます。カーモデルは通常内装部分だけで塗装して組み立てるのに何日もかかるものですが、江戸っ子気質な父は早く完成形を見たかったのでしょう。無塗装のまま完成したカーモデルをしばらく楽しそうに眺めたらテレビの上に飾って終わりです(居間のブラウン管テレビの上は各家庭の展示場だったと思います)。 僕は塗装は必ずしますしその工程が一番好きです。

しかし楽しみ方は違えどもプラモデルの楽しさを教えてくれたのは父でした。 かつて父の愛車であったホンダS600。若かしり頃の父の写真に思いを馳せて、それを無塗装で1日で組み立てみました(キットはフジミ 1/24スケール) 。
液晶テレビの上は展示場に出来ませんが、その無塗装のS600は毎日見るところに飾ってあり、プラモデルを楽しむことを背中で教えてくれた父を思い出させてくれるのです。