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壊れたプラモが、娘に「接着剤」という存在を教えてくれた話。

 「なにこれ? おばけみたい〜〜。ひゅ〜〜〜」
 5秒後、海洋堂アートプラ グローサーフントはフローリングとメルティラブ。

 「おとうさん、こわれたけど〜」

 「ほれ」「あ、本当だ」

 落下ダメージで、肩アーマーの接続軸が折れてしまいました。落ちたらプラモは壊れるよね〜。グローサーフロントを落としてしまった娘はなんだか気まずそうにもじもじしながら……

 「ぷらもはこわれたらくっつくの〜?」

 と聞いてきた。素晴らしいひとこと。そう、壊れたものは直せるのだ! 今まさに3歳の娘は奇跡の瞬間に立ち会っているのかもしれない!! チチテシ、やります。

 「でも大丈夫。プラモデルの世界にはパーツ同士をくっつける「接着剤」というものがあるんだよ」

 「せっちゃくざい? こわれたぱーつがくっつくの?」

 3歳の娘にとって、ものをくっつける方法と言えばテープや糊。折れてしまったパーツを見て、感覚的に「自分ではどうにもならない」と思ったのかもしれません。

 「こうやってね、接着剤をペタペタって折れちゃった場所に塗るだけでいいんだよ〜」

 「それだけでくっつくの〜〜?? かめらたのしい〜」

 「折れた部分に合わせてみるね〜。すぐには固まらないから、ちょっとだけ待ってみようね」

 「はやくようちえんバスこないかな〜〜」

 子供は意識の切り替えがマッハだ。この能力は大人になってなんで無くなってしまうのだろう……そんなことを思いながら部屋の窓から景色を眺めるチチテシであった。

 「ほら、くっついた!」

 「すご〜〜い。おむすびついた。」

 肩アーマーはおむすびに見えたみたい。素晴らしい。これからグローサーフントの肩アーマーは俺にとっておむすびだ。シャケのシールを貼りたいぞ!

 「またおとうさんのおへやにきたとき、これであそんでいい?」

 「もちろんだよ〜。壊しても大丈夫だよ〜」

 直ったプラモを見てまた遊びたいなんて……本当に嬉しいお言葉。子供は興味を持ったものにしか触らない……。息子の時もそうでした。その気持ちを大事にしたいから、プラモに触りたいと言ったら僕はどんどん触らせてます。その時に壊してしまっても、「ものはある程度は直せるんだよ」ってことも教えられるし、直したことで僕自身もスキルアップする。3つ上の息子とも同じようなやりとりをしてきたから、今では軸やツノが折れてもへっちゃらなチチテシになっています。今回、娘も「壊した」から「直せる方法がある」ということを知った……かもしれません。

 僕はプラモが大好きだから、プラモを触って怖いって思って欲しくない。直したりしてまた元の姿に戻ったことが「楽しい」って思える気持ちを接着したいです。

フミテシのプロフィール

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。

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