

プラモな仲間と一緒に旅をする。これは本当に面白い。同じ景色を見ていても、それぞれ視点が違くて常にニコニコできるのだ。僕は2017年にからぱたとイギリスへ行った時、本当にひとりでは無く仲間と行って良かったと思っている。2024年3月16日、17日に開催された「松本城下町モデルコレクション」では、久しぶりに模型仲間と旅をし、あの時のイギリスと同じような体験ができたのだ。

僕は仲良くしてもらっているモデラーの清水圭さん(水性ホビーカラー筆塗りが鬼ウマな人)と現在長野県に在住している奥川泰弘さん(著書/ランドスケープ・クリエイションなどで素晴らしい車模型を発表している人)と一緒に、松本の後に上諏訪へプチ旅行に出かけた。上諏訪は長野県を代表する酒蔵の町で温泉もあり、渋くて良い場所なのだ。

酒蔵を見れば「この壁やべ〜な〜。こういう壁と人のプラモあるだけで情景完成するね!」とか、「あそこに奥川さんみたいな情景ありますよ!」と言って激渋な雰囲気を醸し出している建物を見つけじっくりと観察したり。プラモが好きな仲間と街を歩くだけで、その全てが観察対象となり、観光名所に行かなくてもめちゃくちゃ楽しいのだ! 上諏訪のグルーヴ感と僕たちがいいな〜と思える趣向が見事にマッチして、すごく楽しい時間を過ごせた。

そして、旅の醍醐味は「ご飯」。良い街並みには絶対に良い味がある。知らない街の味を探すため、いつもよりスマホに集中力を注ぐ。検索して出てきた数件をさらに吟味する。レビュー写真と睨めっこ。まさにこれは模型完成品をじっくり見て「ここ真似して〜〜」という見方と同じ。「ここうまそ〜」を探すのだ。物を見るってことはさまざまなことにリンクしているのだ。

そして僕らは「まごころの味」に辿り着いた。お店の名は「まとい」。地元の人にも観光客にも愛されている定食屋さんだ。入った瞬間、「カウンター席がまるで情景王のディオラマか!?」と思えるほどの良さ。最高すぎる……。

そしてメニューだ。人は選択肢が多いと思考が止まる……。プラモもあれもこれもできますよ! って言われると迷っちゃうのと同じだ。

散々悩んだ挙句にフミテシは「チャーシューメン」をセレクト! 定食屋さんのラーメンってさ、街の味じゃん! こういうお店ですごく食べたくなってしまうのである。味はもうね、最近食べた醤油ラーメンの中でもトップ。スープに溶け込んだチャーシューの甘みが、醤油の中に上品な甘味とオイル感を加えてくれてすごくまろやか。完飲したのであった!

清水さんと奥川さんは僕よりやんちゃなチキンカツ定食。枕みたいなチキンカツが出てきて、唖然。でもでかいだけじゃなくて、胸肉なのにぷりぷりの食感。衣に染みたソースと鳥のうまさのマリアージュ。お二人ともソースのかけ方がうまくて、「ウェザリングがうまい人はソースをかけるのもうまいな〜」と感心し、お肉を眺めていると、奥川さんがチキンカツ1枚とお米を恵んでくれたのだ。


プラモに導かれて松本へ行き、松本城、松本の街並みを堪能し、宇宙堂やアサヒ堂といったその土地のホビーの老舗にも訪れ話を聞く。そしてまだ行ったことがなかった上諏訪で新たな知見を得た。ただの旅行と見ればそうかもしれない。でもきっかけは全て「プラモ」だ。プラモってのは自分が見たことがない世界に、こうやって連れて行ってくれる。
そしてプラモが好きな仲間は全国にいる。僕たちがちょっとだけ勇気を出して一歩踏み出せば、そこには素晴らしい仲間と体験が待っているのだ。プラモを持っていかなくても良い。プラモが好きな心と目と、人と一緒に楽しむ優しささえあれば、きっとあなたの人生に幸せな時間をもたらしてくれるだろう。改めて松本城下町モデルコレクションに感謝。