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プラモデルによる恐竜ファスト復元のすゝめ/プラノサウルス アンキロサウルス

 恐竜の骨格図の制作を生業にしている筆者ですが、アンキロサウルスを描くのが苦手です。なにしろ、見つかっている化石を全部かき集めても骨格のパーツが欠品だらけ。他の似たような種からパーツを流用しようにも、そもそもアンキロサウルスの親戚はことごとく骨格の重要な部品が欠けている有様。骨格を二次元的に組み上げる前に、まずは欠品をどう補おうか2,3日悩み苦しむ羽目になるわけです。

 さて、ここに昨年秋に発売されたプラノサウルスシリーズのアンキロサウルスがあります。オプション武装が馬鹿デカいわけではないので、ひとつのパッケージの中で骨格復元から生体復元まですべて完結しています。復元の妥当性とかそういうのはさておき、ワンパッケージでサクッと完結するというのはとても魅力的です。

 昔の図鑑だとアンキロサウルスには地味な印象もあったりしますが、丸っこいボディーに鎧の複雑な凹凸が散りばめられているので非常に立体映えするものです。皮骨(鎧の芯になる骨)のパターンはほとんどわかっていなかったりするのですが、肋骨に一体成型されているので悩む暇がありません。

 外皮のパーツは情報量の塊。色々な塗装表現で遊べそうです。

 筆者が三日三晩泣きながら描いた骨格図を踏みつけて、あっという間にアンキロサウルスの完成です。サクッと組み上がったぶん、貴重な休日の時間はまだだいぶ余っています。同じ時代・同じ場所に生きていたティラノサウルスやトリケラトプスと並べるもよし、自分の納得がいくまで皮骨をいじり倒すもよし、塗装に凝りまくるのもよし。

 キットの味をじっくり楽しみながら組み立てるのも、サクッと組み立てた後でいじり倒すのも、あるいはスキマ時間にさっと形にするのも、どれも豊かな趣味の時間だなあと思う繁忙期の筆者なのでした。

G.Masukawa a.k.a.らえらぷすのプロフィール

G.Masukawa a.k.a.らえらぷす

1994年生まれ。恐竜の化石から骨格図を描き起こしてごはんを食べています。著書に「ディノペディア Dinopedia: 恐竜好きのためのイラスト大百科」、「新・恐竜骨格図集」、イラスト展示制作に「恐竜博2023」、「ポケモン化石博物館」ほか多数。

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