

まだ行けてない『DESIGNS 永野護デザイン展』。エルガイムのムーバブル・フレームの設定画はいつ見ても興奮するものです。ガンダム(この場合RX-78)のプラモデルでムーバブル・フレームめいた内部構造が表現されるようになってずいぶん経ちますが、現実世界の機械はたいがい(セミ・)モノコック構造。どっこい、空を飛ぶ脊椎動物は軽やかな身体つきの内部に骨格と筋肉というムーバブル・フレームを内蔵しています。
プラノサウルスシリーズの最新作となるプテラノドンも、そんなムーバブル・フレーム内蔵の飛行機です。骨格は非常に軽いつくりで、部位によっては実物大の骨格模型ですら再現をあきらめるほど繊細。バンダイスピリッツはそんなプテラノドンを果敢にもプラノサウルスのフォーマット、つまり骨格≒ムーバブル・フレームと外皮が着脱可能な仕様でプラモデル化してきたのです。

こうしてシリーズの中でも抜きんでて繊細なパーツ構成となった本キットですが、とはいえモチーフの骨格が繊細きわまりないので一体成型の部分が多いのもポイント。一瞬で骨格が組み上がるのは相変わらずです。

軽やかでいかにも飛翔性の動物らしく仕上がった『骨格ビルド』とは対照的に、『恐竜ビルド』(軟組織を表現したパーツの組み立て工程)でいきなり往年の円谷怪獣じみたパーツが出てきてたじろぎます。プラスチックの厚みがそのまま外皮の厚みとなるプラノサウルスシリーズですが、空を飛ぶ脊椎動物は軽量化のためガリガリに痩せているのが相場。手頃なサイズのプラモデルでプテラノドンの(推定される)外皮の厚みを表現するのは難しい問題です。

そんなこんなで組み上がったプテラノドンはもちもちの姿。翼を丸ごと差し替え式にすればもっと軽やかな姿で造形することもたやすかったはずですが、骨格に外皮を被せていくというプラノサウルスのフォーマットを貫き通した格好です。モチーフの構造を模することへのバンダイスピリッツのストイックな姿勢がうかがえます。
折しも、タミヤが「旧復元プテラノドン」を再パッケージ化して発売することを発表したこの頃。作られた時代もメーカーも違うふたつのプテラノドンを並べてみるのも楽しそうです。