1/72スケールの戦車模型ってのは昔からあるんですが、小さいから作りやすいようにパーツ数減らすとか、多少ディテール再現を犠牲にしても一体にしたりとか、各メーカーも工夫をしています。転輪と履帯を一体にして作りやすくしたりとか。しかし! このヴェスピッドモデルのミニスケキットは、戦車模型のメインスケールである1/35も顔負けのパーツ分割をしつつ、エッチングパーツも多用してスケール感に合わせた設計となっております。
ヴェスピッドモデルは2020年から活動開始した新興メーカー。現在までのラインナップは全て1/72で、車種もどこかに偏る事もなく色んなアイテムを出してます(最新作はとうとう1/35!これも楽しみなんですよねー)。
今回は新作でもある駆逐戦車ヘッツァー初期型にチャレンジ。内容的にはプラパーツだけではなくエッチングパーツや金属砲身、金属のワイヤーロープなど、最初からモリモリテンコモリな状態。アフターパーツ要らずです。
ヘッツァーの履帯ってセンターガイド(ズレ防止の突起物)に穴が開いてるんですが、このスケールなのにちゃんと再現されてる。すげえ!!!
車体をスライド金型で一体成型にするのは分かるんですが、このスケールでは虫眼鏡レベルでもある機関銃のディテール再現のためにスライド金型使ってるんですよね……。排気管とか砲身とかもスライド金型で開口済みです。やりすぎじゃん! って唸っちゃう。
履帯も部分連結式で別パーツだし、転輪も大きいとはいえ一個ずつバラバラなので組み立てには若干気を付ける必要はあります。しかし、あっちが合わずこっちも合わない…みたいな事はなく、丁寧に組めばこの通り。ピンセットは準備してね!
組み上がってこうして単品写真で見てると……サイズ感がぜんっぜんわかんない!! いや、正直な感想としては「そこはプラパーツでええやん!」とかそういうパーツ構成なところもありますが、それでもやっぱりこれだけ目が騙されるのはメーカーの拘りだなあと思うわけです。
手で持ってみるとこのサイズ感。ちんまりしておる。1/72の中でもヘッツァーは小さいからこういうサイズ感にはなります。パーツも細かく、金属パーツも選択式じゃないパーツ構成だったりもするのでそれなりに苦戦するところはありますが、今の海外製ミニスケールに取り組んでみたいとなればオススメのメーカーです!! ぜひヴェスピッドモデルのプラモ、組んでください。それでは!
1977年生まれ。戦車道とスピットファイア道を行き来する模型戦士。生まれ育ちは美濃の国、今はナニワ帝国の片隅でプラモデルを作る日々でございます。