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This is 古賀学マジック/グローサーフントのプラモデルを3体作らせる魔法の説明書。

 海洋堂のARTPLA「1/35 ヒューマノイド型無人邀撃機グローサーフント」は一箱で3体セットのプラモデルです。箱の中には3色のプラスチックで作られたパーツが入っています。なので、色が違う3体のグローサーフントを作れます。

 同じプラモデルを3個作るということは、同じ作業を繰り返すということになるので、そこで最後まで楽しめる工夫としてプラスチックの色が3色に分かれているのでしょうか。そのパッと見でわかる仕掛けよりも巧妙な魔法が仕込まれているのが説明書です。

 説明書には「これを2個作ります」といった記載は一切なし。両手両足があるロボットなのに珍しいと思いました。それに右足と左足の組立図が左右反転するという処理ではなく、全く違うアングルで描かれています。こういった工夫によって「繰り返し作業をやっている感」をまるっきり隠してしまっています。

 プラモデルという遊びはそもそも「説明書とにらめっこ」なんて言われるような、じーっと説明書を見る時間が結構あります。それに組み立て工程ごとに、「説明書を見ては作る」という作業を繰り返します。説明書を見る時間がそれなりにあるのです。なので、そこに視覚的工夫を盛り込むと組み立て体験も変わるということは充分ありそうで、現にこの1/35 グローサーフントはまるで説明書に引っ張られるように「次!次!」と楽しく作ることができました。

 3色のプラスチックに、繰り返し作業を感じさせない説明書。一体作るだけでも満足度はかなり高いですが、次はどの色を作ろうかという気持ちがすぐに浮かびます。作り終わった後すぐに「ここが良かったな」と私が思ったのは肩に両腕を接着するパート。腕から伸びたケーブルの先端が基部に集約されていくのはとっても気持ちが良かったです。紙面のフレームから右腕がはみ出るようにレイアウトされているので、説明書の中でも思わず目がいきます。

 「誰だこの説明書を作ったのは!」と思ったら組み立ての最終工程の端に「パッケージ+インストデザイン 古賀学」ということで、作った人の名前が書いてあります。古賀さんの説明書の魔法を味わえますし、プラモデルって色々な工夫がなされて製品になっているんだなと思えるよい経験ができました。私が購入したのは海洋堂直営店限定のものでプラスチックの色が通常盤とは違いますが、どちらのものでも同じ体験ができます。

クリスチのプロフィール

クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。

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