

今年の「あけましておめでとうございます」にもっとも似合うプラモデルをあけましたところ、「おめでとうございます」以外の言葉が出なかったので皆さんにもオススメする次第です。タミヤの1/35ミリタリーミニチュアシリーズのなかでも最大級のサイズを誇り、同時に背負った文脈が重たすぎるドラゴンワゴンです。いやー、持ってたけど初めて開けたよ!本当にすごいね、このプラモデル!辰年だね。
タミヤ1/35MMの30周年を記念して1998年に発売されたアメリカの40トン戦車運搬車。箱を開けて長大なトレーラーのパーツをひょいと持ち上げると、その下には細長い箱が。「箱の中の箱」は開封の喜びを2倍にしてくれますが、なかから飛び出してくるのは尋常じゃない数の中空ゴム製タイヤと金属製パーツやチェーン、牽引ワイヤー代わりの糸などなど、異素材の嵐!

ステアするキャビン前輪以外はすべてダブルタイヤなので、スペアタイヤを含めてじつに19本のタイヤが用意されています。パワフルなトラクターで40トン近い重量の戦車を運ぶモンスターマシンであることが、組む前からビシバシ伝わってきます。

タイヤを支えるホイールもこのとおり。フィギュアは4体が付属し、胴体2種(×2セット)に対して腕のカタチの違うパーツを接着することにより、それぞれ違ったポーズで組み上がる設計になっています。ここで見えているパーツは全体のごくごく一部で、全体は700点ほどの部品で構成されています。

ソフトスキン(=戦闘しない車両)でありながら、戦車を前線に送り込んだり行動不能になった戦車を回収したりと大活躍したドラゴンワゴンだけに、その機構もかなり複雑。駆動装置やタンデムウインチ、クレーンなどは適度なパーツ数で実感豊かに再現されているので、これがどんな構造になっていて、どう運用されていたのかが手に取るようにわかります。

完成時の全長は510mm。強度確保のために金属板をパーツに共締めする部位もあれば、ステップに刻まれた繊細な滑り止めのパターンを再現できるようエッチングパーツが付属するなど、トレーラーの模型としても本当に考え抜かれたDX仕様のプラモデルです。やっぱりこういうのはなにか特別なきっかけがないと手を付けない部類のものかもしれませんが、説明書を読んでみると「特別な工程」はなく、ひとつひとつの工程をじっくり進めていけば必ず完成するようになっているのが素晴らしい。人類はもっと軽率にドラゴンワゴンを組んだほうがいいのではないか。

説明書で「完成」の次に来る見開きは実車における戦車の載せかた/降ろしかたの手順です。ただ作るだけじゃなく、その先に戦車を組み合わせた情景があるんだ……ということをユーザーに分からせ、「いつか絶対に戦車を載せているところを再現したジオラマを作るぞ」と決意せざるを得ない年初の邂逅。多くのMM少年たちがシリーズのひとつのマイルストーンとして推す意味が改めて理解できました。みなさんも、昇り龍の勢いでガツンと手に入れましょう。そこには驚くべき光景が広がっています。