
上の動画観ました? 観たなら『スケールアヴィエーション』の最新号を買いましょう。観ていないならいまから観ましょう。結果的にアナタは『スケールアヴィエーション』の最新号を買います。だってかっこいいもんね。映像がスタイリッシュだと画面から目が離せないし、なによりプラモデルを共通言語として持っていない人にもエンターテイメントとして観てもらえる。カッコよくて役に立つならなおさらです。

プラモデルを取り扱ったDVDやTV番組って「達人がスゴ技を見せてくれる」あるいは「こうすればうまく作れますよ」というものがほとんどです。でも、スケールアヴィエーションの付録DVDはそれだけじゃありません。誌面で活躍しているカナダの凄腕モデラー、クリス・ジーバーが飛行機模型塗装の最新テクニックを見せてくれるだけじゃなく、彼がどんなところに住んでいて、どんな模型店に通っていて、そこにはどんな仲間がいて、どんな暮らしをしているのかを描き出しています。
模型作り(だけに限らず、すべての趣味活動)というのは、生活の他の部分から切り離され独立した領域ではありません。衣食住があって友達がいて、パートナーがいて仕事仲間があって、それらの関係性の中から紡ぎ出される個性があります。些事に追われて暮らすなかの、限られた場所と時間に個性が滲み出して、ようやく模型ができる。だから「この人、とても上手だなぁ」と思ったら、その人の生き様を見るのが超大事なんだと思います。

雨の小牧で僕が初めて見たイーグルは、とても複雑な汚れ方をしていて「とてもじゃないけど、これをそのまま模型で表現するのは無理だな」と思ったものです。そして16年前にはこんな特徴的な汚れをプラモデルの表面に落とし込む作例もほとんど見たことがありませんでした。でも、いまではインターネットが発達して写真資料にアクセスしやすくなり、ツールやマテリアルの種類が増えて高性能化し、まるで実物のような(でも模型的にすごく映える)汚し塗装を施すモデラーが増えてきました。
クリス・ジーバーは日本から遠く離れたカナダの地で、航空自衛隊のイーグルをまるで見てきたようなリアルさで塗ります。塗っているときの眼差しはとても優しく、手のひらの上の機体を慈しんでいるようにすら見えます。なぜ彼がこんなに模型を愛しているのか。なぜこんなに理路整然と汚し塗装の手順を説明できるのか。誌面の作例を見てから付録のDVDを観れば、イッパツで分かります。テクニックとともに、彼自身のway of lifeに迫っているから。

カッコよく生きてる人がカッコよく撮影されていて、ただ模型を机の上でひたすら作っているだけじゃなくて、「今日は違うことをしよう」と外に出ていく様子が見られるというのはとっても貴重なことです。海外の空気を吸っているような感覚も久しぶりです。正直、雑誌付録にしておくのがもったいないくらいの内容で、美しさとカッコよさと笑いと涙がギュッと詰まっています。当然ながら、役に立ちます。飛行機模型に興味のなかった人も、プラモデルをそんなに作ったことのない人も。なんなら、このテキストを読んでいる全員に観てもらいたい。きっと明日から「うわー、頑張って生きよう!」という温かいヤル気がみなぎってくるはずです。