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見えなくなっても作るんです/ICMが魂込めたトラックのプラモデル。

▲ICMはパッケージがドラマチックだよね。

 戦争ってのはあらゆる物資が必要になります。届けるのは銃弾や砲弾だけではなく、兵隊たちの衣食住をフォローする為の物資も重要。いわゆる「兵站」というやつです。各国はそういった物資を様々な手段で運んでいたわけですな。もちろん長距離では列車を使っていましたが、レールがあるところじゃないと運べない。……では飛行機とかを使えばいいじゃないかとなるけど、前線飛行場を作るなりしたところで運べる絶対量は限られます。
 しかしトラックならば(燃料が続く限り&壊れない限り)どこまでも運べる利点があるわけですよ!タイヤで走れるところがあればどこまでも行きます。それこそ列車や飛行機から荷物を積み替えて最前線へ運ぶのはトラックの仕事。戦争を支えていたのはこれらのトラックであるといっても過言ではないのです。
 さて、今回はそんな軍用トラックのプラモデル。ウクライナの模型メーカーICMはソフトスキン(トラックや乗用車などの非装甲軍用車輛の総称)がとても得意なメーカーでして、今回紹介する「Model W.O.T.8」もそんなイギリス軍が使っていた中型トラックです。

 キットの名前的にはボカしているけど、イギリスの自動車メーカーであるフォードソン社が製造した「フォードソン W.O.T.8」をモデライズ。同じデザインでホイールベースが長いW.O.T.6もキット化されており、ロシアへレンドリース(武器貸与)されてロシア製ロケットランチャーを背負ったカチューシャとしてもキット化されてます(っていうか、コレを一番出したかったんじゃなかろうかと邪推……)。

▲ホイールベースがぎゅっと短くてスタイルがヒジョーに好みです。このトラック。

 キットの発売順としては、最初にホイールベースの長いW.O.T.6が発売されて「なんかキャビンが近未来的でかっちょいいよね!」と思ってたんですよねー。このトラックの事は全然知らなかったので調べてみたらホイールベースの短いタイプもあると知り、「ICMだもん、ひょっとしたらやってくれるんじゃないの?」と待ってたら出ましたW.O.T.8。デザインは今の商用トラックに近いけど、車高の高さとかタイヤのサイズ的な迫力が非常に格好よろしい。ロシアでオフロード仕様に改造した軽トラみたいな迫力だな(例えが謎)。
 組み上がるととても満足出来る格好よさなんですが……実はICMというメーカーはなかなかどうしてコダワリの強い会社でして。シャシーなんかはホンモノと同じような構造でパーツ分割してるもんだから組み立てにはフレームが歪んだりしないように注意が必要なのです。さらにエンジンなんかもちゃんと再現されてるんですけどね…

▲説明書を見てるだけでもわかる。完成したらエンジン見えなくなる。

 エンジンはキャビンの中にすっぽり納まる構造になっており、運転席と助手席に挟まれる形になっておる。他のソフトスキンなんかだとボンネットが空いたりキャビンを外したりしてエンジンを眺められる構造になってたりするキットもあるんですが、このキットは完全に見えなくなっちゃうんだよ……。選択式でエンジンカバーが外せたりとかそういう事もできないんだよ……。

▲否、もちろん見える。ひっくり返せばな!

 見えなくなるからエンジン作らなくてもいいか、というとそうもいかず。裏から見ると見えるんだよコレが……。もちろんエンジンから伸びるドライブシャフトとかのことを考えたらエンジンがないと困るんだけど、まあそうはいっても全く見えなくなるんだったらもう少し省略してもいいんじゃない?という気持ちに苛まれつつパーツでフタをしちゃうわけです。修行だなこれは……!

 まあ、そうはいっても実車の構造を知りながら組み立てたりする事が出来ると考えれば面白いキットですし、なにより外見が格好よろしい(繰り返し)。そのまま地球連邦軍のマークとか貼っても違和感ないデザインが最高ですわよ!

内藤あんものプロフィール

内藤あんも

1977年生まれ。戦車道とスピットファイア道を行き来する模型戦士。生まれ育ちは美濃の国、今はナニワ帝国の片隅でプラモデルを作る日々でございます。

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