箱を開けた瞬間、青い艦載機のランナー(プラモのパーツが収めらている枠のこと)が僕の心を奪っていきました。紛れもないプラスチックのシーブルー。それを率いるのは日本海軍最強のライバルとして幾度も立ち上がってきた航空母艦「エンタープライズ」(世界初の原子力空母にもその名が引き継がれています)。実際に組んでみて、この「タミヤ 1/700スケール アメリカ海軍 航空母艦 エンタープライズ」のプラモは、外国艦の中でもぶっちぎりでお気に入りになったのです。1974年生まれの古いプラモですが、凸モールド甲板の迫力、シャッターの綺麗なディテールによって、メリハリある塊感を堪能できます。そして鬼の機銃(記事後半に登場)以外はとっても組みやすいので、1日でアメリカ海軍勝利のシンボルをあなたの机の上に飾ることもできるのです。
機銃の組み立て以外は全くノンストレス。特に船体と飛行甲板が、上下でビシッと合うのが最高に気持ち良い。1974年の生まれのキットでも、こういうところがタミヤだな〜と感動するのです。
日本における艦船模型は、圧倒的に日本海軍な世界。僕もそうです。でも、ことあるごとに日本海軍とバチバチにやり合ったこのエンタープライズは、まさに至高のライバルとも言える船。エンタープライズを作るだけでも、日本海軍の船を並べて「同じ海戦にいた船〜」って楽しみができるほど、シンボリックなアメリカ海軍の船だと思います。作りやすいので添え物として作っても良いですし、このキットを昨今のディテールアップパーツを駆使してムキムキに改造し、今のハイディテール日本海軍チームの前に立ちはだからせても良いでしょう。最高に塊感も気持ち良い艦船模型なので、ぜひ1度作ってください。
1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)