

メッキパーツは「塗装じゃ表現できない本物の金属の輝き」が楽しめる。ケンメリGTR(KPGC110)の特徴的なフロントマスクはナンバープレートのくっついたバンパーとグリル上部をぐるりと囲むラインがキラリとクロームシルバーに光る。これ、バンパーだけはメッキパーツで残りはシールなのだ。パッと見、その違いはほとんどわからない。プラモ塗装の名人でも、メッキの輝きを自分で手に入れるのはなかなか難しい。「シールでもいい」じゃなくて、「シールだからこそいい!」という感動がここにはあった。

カラーバリエーションも含めて約100作が発売されているアオシマのザ・スナップシリーズ。新作の「ニッサン C110スカイラインGT-R」もこれまで同様接着剤を使わずに組み立てられる設計で、ニッパーとピンセット、あとはパーツの凹凸にシールを馴染ませるための爪楊枝さえあればいつでも組み立て準備はOK。手のひらサイズだしパーツ数は必要最小限に抑えられているけど、アオシマのカーモデルならではのプロポーションとディテールへのこだわりはしっかりと感じられるナイスキットだ。

リアのコンビネーションランプはボディ/メッキパーツ/黒パーツ/クリアーパーツを重ねながら、要所要所にシールを貼って色を補っていく構成。ちゃんと奥行き感のある特徴的な4灯丸型テールランプが手に入る。これを塗装で表現しようとするとなかなかホネだし、写真を見れば分かる通りボディのレッドも透け感ゼロのパキっと硬質なツヤがあるプラスチック。ひとむかし前のカーモデルではまずありえないような「”組むだけ”がいちばんキレイに仕上がるプラモ」として、ノービスに親しまれ、ベテランモデラーにも一目置かれる存在になりつつある。
ちなみに本シリーズにはまったくプラモデルを作ったことがない人に向けて組み立て方やTipsをまとめた1枚のリーフレットが入るようになった。こちらは実際にプラモを組んだことがない人がどんなところにつまづくのかを(アオシマのスタッフと我々nippperスタッフが相談しながら)写真やイラストでわかりやすく解説しているのでぜひ読んでもらいたい。

スタートから数作を触って「いつも同じ味で目新しさは車種だけだな」と感じるのではないかと勝手に危惧していたアオシマのザ・スナップシリーズだが、組めば組むほどシールの精度には驚かされるし、「いかに少ない手数でカーモデルの持つ魅力を伝えられるか」という工夫が丁寧に考えられていることに、毎度小さな感動がある。プラモデルに疲れた人、これからプラモデルの世界に飛び込みたい人におすすめしたいのはもちろん、「ガチな作品」の素材としても充分なポテンシャルを持つアオシマのザ・スナップシリーズ。飽くことなく買っては組み、今後も定点観測を続けていくつもりだ。