プラモの塗装を剥がす傷表現に初挑戦!はじめてでも楽しめる「シリコーンバリアチッピング」

▲傷! 最高!! 塗装ハゲが俺のプラモを歴戦にする

 ウェザリングをしていると手元のプラモがどんどんリアルになって楽しい。運用していれば兵器だろうと民間のものであろうと汚れるし、駐車場のクルマや工事現場の重機を見ながら、「どんなふうに汚れるのだろう」と観察するモデラーならではの楽しみも増える。工事現場の重機や戦場を駆ける戦車、或いは飛行機には、汚れではなく塗装が剥げてしまっている箇所がある。その塗装剥がれ一つ一つが激務や激戦を連想させとてもカッコいい。

▲工事現場などを通ると、傷や汚しの参考になるものがいっぱいある!!

 こういう塗装ハゲをハゲチョロとかチッピングと模型の世界では呼んでいる。これをプラモで再現しようとすると、下地の色を筆でチョンチョンと塗装するのが一番お手軽。だけれど、それらしくするのはそれなりにセンスと経験が必要で、「そんな風にはハゲんやろ」的な不自然なものになったり、やりすぎて「スクラップ?」のようになってしまうこともよくある。

▲本物のように、塗った塗装を実際に剥がしてみる。そんな時にはMr.シリコーンバリアー

 もう一つの方法として、「本当に塗装を剥がす」やり方がある。模型雑誌などには塗装を剥がして下地を露出させている作例もよく見る。やり方はいくつかある様だが、こういうものはやってみなければできるようにならない。まずは雑誌やWebサイトで紹介され、使いやすそうなGSIクレオス社の「Mr.シリコーンバリアー」でチッピングに挑戦してみた。お題はタミヤの1/48 エレファント。88㎜砲を備えた見るからに強力な銃駆逐戦車。これなら銃撃も受けただろうし、なにより「歴戦のエレファント」は想像するだけでカッコいい。

▲結果から言うと大成功!! 初めてでもとても楽しくチッピングができた

 まずは普通に組み立てて、普通に塗装する。ひとつだけいつもと違うのは、黒の下地の上に、錆防止の赤を塗る。塗装がハゲた時に見えるのがこの赤である。

▲オキサイドレッドが本当らしいが、自分の好みで艦底色を塗装
▲艦底色の状態にシリコーンバリアーを筆塗り。乾燥後にダークイエローを塗装した

 艦底色を塗ったら、シリコーンバリアーを塗装が剥げそうな箇所に筆で塗布。ここで驚くのがシリコーンバリアーのサラッと感。塗膜も厚くならず、すぐに乾く。後は普通にダークイエローや迷彩を塗装して、いよいよチッピングだ。

▲バリアーを塗った箇所をつまようじでカリカリすると、ぽろぽろと表面の塗料が落ち、艦底色の下地がいい感じに顔を出す

 もういいかなというところで、ツヤ消しのクリアーを吹いて表面を保護しておわり。思いのほか簡単な上に効果は抜群。飛行機でもやってみたが、筆よりも簡単にリアルなハゲチョロが再現できる。そして、何より楽しい。Mr.シリコーンバリアーはそう高いものでもないし、チッピングで悩んでいるならぜひ使ってみてほしい。

▲戦車だけでなく、飛行機模型のチッピングにもぴったり
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Swordsman

仕事の合間に飛行機ばかり制作する1975年生まれのITコンサル。