模型に小さな傷を表現する「チッピング」と言うテクニックはお手軽な上に効果絶大で、最高に面白い塗装のひとつです。塗り上がっても好きなタイミングで足すことができるのも良いです。僕もこの工程が大好き!! いつもやっている方法をご紹介します。
傷をつける表現は主に2つ。リアルに模型に傷をつける方法と、傷色の塗料を塗って傷を描くという方法です。僕はどちらも併用します。まずはリアルに傷つけてみましょう。
デザインナイフの先で塗料をコリコリと剥がす感じで傷をつけていきます。これで上塗りした塗料が剥がれて下地の塗料が露出します。僕はこれがやりたくて、下地に実際の車輛にも塗られていたさび止め塗料の色であるオキサイドレッドを吹くことが多いです。傷ついて塗料が剥がれた下から、サビ止め塗料の色がちらちらと覗くのがかっこいいんですね~~。
細い筆でチマチマと描くのも楽しいのですが、傷表現の定番となっているスポンジチッピングはお手軽なのにかっこよくなり過ぎちゃう凄い技。スポンジの細かい目によって、模型にスタンプするだけでランダムな傷が表現できます。チッピング色は専用の物もありますが、ブラウンや黒に近いグレーなどで代用できます。伸びの良い水性アクリル塗料やエナメル塗料がオススメです。水性塗料なら完全に乾く前なら水で、エナメル塗料なら、エナメル溶剤で拭き取れば手早く修正もできます。
模型に傷をつける&描くって初めては怖いかもしれません。でもウェザリング表現(模型に汚し塗装を加えること)の中で「傷」と言うものは、ひと際模型にアクセントを与えることができる魔法のようなものです。この傷の上にさらに汚れを纏うことで、一気に雰囲気のあるカッコイイ姿に変化します。俺のガンダム、俺の戦車、俺の飛行機などを今回汚し塗装してみようと思ったら、ぜひチッピング表現にチャレンジしてみてください。思っていたよりも簡単で、そしてめちゃくちゃ楽しい時間があなたを待っています!! ぜひやってみてね!!!
1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)