シャープに塗れて、タフに洗える!タミヤ新作、平筆三兄弟はプラモ塗装のスペシャリストです。

 結論から言います。有機溶剤でガンガン筆を洗うタイプのモデラーのみなさん。この筆は”買い”です。

 プラモの筆塗りはめっちゃ楽しい。めっちゃ楽しいので筆は確実に「イイもの」を選びたいっすよね。筆にも歴史があるのでいろんな特徴があり、「イイ」というのにもいろんな種類があります。そこにやってきたのがタミヤの新作、「モデリングブラシHGII 平筆」の3兄弟です。極小/小/中の3サイズでラインナップされ、これがまたすこるぶるよろしい。「筆なんか塗れればなんでもいいんですよ」なんてことはない!この筆を買うと筆塗りがさらに楽しくなるから読んでってくださいな。

 まず軸が樹脂製です。持ちやすい太さ、良い重量バランス。そしてなにより毛も樹脂です。これまでのタミヤ製平筆(HGシリーズ)はウマの毛でしたが、今回のHGIIはPBTという素材でできています。超極細で塗料の含みも吐き出しも安定していて、コシは柔らかめ。毛先は真っ平らなのでタッチを生かした筆塗りというよりも、一定の面積を平滑に塗りたい人にこそ向いた形状であります。

 平らなところを塗って「塗れますね〜」ではレビューにならないので、具体例。まずは組み立てたあとから戦車の履帯を塗っている様子です。 広い部分は寝かせて、凹凸のある部分は立てて、塗料を置くように塗ればきれいに仕上がります。

 なにより塗料を含んでも毛先がビシッと極薄の刃のようにまとまり、バサバサと割れたりしません(こういう筆は「植え方」がうまいのです)。写真のように履帯と転輪の間に刃物を入れるように筆をくぐらせて塗り分けるというのも全く問題なくクリアできます。極細の毛が根本から先端まで平たくまとめられているからこその芸当!

 飛行機のエンジンを組んだ後から塗りたくなっても大丈夫。極小タイプならカウリングとシリンダーヘッドの僅かな隙間に筆を差し込むことができますし、細かな冷却用のギザギザに染み込ませるように塗るのもお手の物。塗料の含みが良く、毛先が柔らかくて細いのでかなりいろんなシチュエーションに対応してくれます。平筆の角を使ったり、穂先を縦に使えば見た目以上に細い線を引くことも可能!

 そしてこれですよ!有機溶剤(塗料用の薄め液)でもガンガン洗えます。獣毛では油分が抜けて穂先がパサパサになってしまったり、化学繊維でも耐溶剤性がそこまで強くないものだとチリチリに溶けてしまうことがありますが、PBTは耐溶剤性がものすごく強いので、「ガンガン塗ってガンガン洗う」というのが怖くありません。

 もちろん軸も耐溶剤性のある黒い樹脂なので塗装が剥げてきたりすることもないし、木の軸のように「水性塗料を塗って水でガンガン洗っていたらふやけてフェルール(毛を保持している金属パーツ)がスポッと抜けてしまった!」みたいな事故もありません。とにかく、強い!

 軸の尾部に付けられた転がりどめもナイス。こちらはお好みでカットして使うこともできます。
 そもそも「他の用途に使う筆を模型用に使う」のではなく、「模型を塗るために素材や形状にこだわってゼロから開発された筆」というのはそんなに多くありません。タミヤHGIIは「シャープな切れ味と安定した性能を持ちながらタフで入手性が抜群」という模型用平筆の決定版的なスペックを持っています。みなさん、平筆買うならまずはこの三兄弟をゲットしてください。気持ちの良い塗り味が長持ちしますよ!

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からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。