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「プラモデルができるまで」を見ながら作るプラモデル/ハセガワのコルセア

 「私が作りました」という生産者の顔を見比べて、おいしい農産物を判断すること、あると思います。このおじさんよりこのお兄さんのトマトの方が甘そうだな……。

 本質的にはどうでもいい情報であっても、知ることが判断の一助となる面白い事例だと思います。知ることとは世界を広げることなのだと、僕は道の駅の農産物売り場で思い知ります。

 さて、我が家は子育て真っ最中。昨今の時代の流れには抗えずYouTubeが育児の助けです。流し込み接着剤くらいの仕事をしてくれています。しかし僕もニフティサーブでネチケット(死語)を学んだ世代。娘氏にも正しい知識を教えつつネットサーフィン(死語)させねばなりません。YouTubeのチャンネルもある程度こちらでチョイスしていきたいのです。そんなときに出会いました、素敵な番組に。サイエンスチャンネルさんの「ザ・メイキング」という色々なもののできるまでを工場への取材映像とテロップだけで紹介してくれる番組です。マヨネーズ、ビー玉、ぬいぐるみ、ピアノ、ボーイング777、ラケットのガット。娘氏よ、こんな風に色々なものはできるんだよ。ヒカキンさんもいいけどこっちも見よう。

 これだけの種類があれば当然あります。「プラモデルのできるまで」ぜひ15分間お付き合いください。

 どうですか。超面白くないですか。ハセガワさんの1/48 F4U-5N コルセアのできるまで。企画、設計、金型の作成やランナーの成型、色々なデザイン、梱包から出荷。今まではっきりと知らなかった沢山の作業が目に飛び込んできます。これはたまらない。作りたい。早速買ってきました。再販からちょっと経っているから少し探しました。

 F4U-5Nはざっくり説明するとF4U(コルセア)のバージョン5のタイプN(夜戦仕様)。正面からWに見える逆ガル翼にごっついエンジン乗っけて、スペック的にはレシプロ機の極致を目指しながら、ジェットへの移行で時代に呑まれたF4U-5が個人的にはとっても好きです。このコルセアが活躍するであろう映画、「Devotion」の公開も楽しみです。さてプラモの方は「プラモデルのできるまで」を繰り替えし再生しながら組んで行きましょう。

 発売は2000年。22年前に動画の人たちが作り上げたキットがこの手の中に。知ってますよ。この成型色、白に黒のペレットをちょっとだけ混ぜてるんですよ。この胴体がつるつるなのは、金型を機械で作ったあと人が磨き上げているんですよ。このデカールはillustratorで作ってるんですよ。動画で見ましたからね。ふふふ。

 完成。20年前というのが新しいか古いかは中々難しいラインな気がしますが、凹モールドだし、合いも悪くないし、組みやすいです。強いてあげれば、キャノピーのパーティングラインと装備ののりしろの少なさくらいでしょうか。シンメトリーを強く感じさせる逆ガル翼とアシンメトリーな装備の組み合わせが大変にかっこいいです。コルセアのなかでも-5はプラモ的にはマイナー寄りでまだ食べたことない人は是非食べてみてほしいです。今日からは「私が作りました」のように作り手の顔を知って楽しむことができます。

 1/48コルセアにおける「私が作りました」は、ヴォート社が実機のコルセアを設計、製造したときから連綿と続く色々な想いの繋がりです。そうやって生み出されたプラモデルの最後の「私が作りました」シールを貼ることが、私たちのプラモの完成の意義だと思うと、なんとなく素敵なことだと言えるような気がします。

 娘氏、この動画の人たちとパパが作った飛行機だよ。ほら、ヒカキンさん見ながらでもいいから見て。

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いち

16の頃に別れたプラモデルと36で再会した82年生まれ。

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