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雨とオーナーズクラブ。雨音が思い出させてくれた僕のプラモライフの原点。

▲どんよりとした日が続いちゃったね……

 小学校3年生から高校生まで、毎日校庭でサッカーボールを蹴っていた。蹴っていない日は「雨」が降った日だけ。雨や雷の日以外練習の休みが無い、一昔前の熱血サッカー部で青春を過ごしたので、「雨の日」は僕にとって特別だった。だから、雨が降った日はここぞとばかりにプラモやスーファミ・プレステをその日で消化する。今の「ガッ」と一気に作る体質はそこから生まれたのだと思う。
 だから雨音は僕にとっての模型製作のスイッチ。雨音を聞きながら模型を作るのが好きなんだ。

▲雨は子供たちにとっては退屈の象徴。雨が降ると僕の部屋に二人のキッズがやってくる

 「お父さん、車のプラモ作ってよ~」「ダァダァ、プ~」。部屋は秒で占拠され、息子は「これを作るんだ」と僕のプラモ棚からオーナーズクラブの「’71 ホンダZ 後期型」を抜いてきた。「雨だとお外にも行けないしさ、お父さんが作るの見ててあげるよ。一人だと寂しいでしょ」という子供ならではの「あの上から目線な接し方」をされると、息子も言うようになったな~と思う。でも子供たちの前でプラモを作るのは楽しい。少しだけ簡単なところは一緒にやったりしてパチパチ組んでいく。外からは雨音が聞こえてくる。

▲大きなパーツを切ってみたい! と言う好奇心に応えない親(プラモ大好き)はいないでしょう
▲ランナーからコロンとパーツが落ちるたびに息子は笑顔。娘はそのパーツを略奪してお気に入りのバケツに入れるので、喧嘩が始まる。雨音はかき消される
▲1時間くらいで完成。息子はニコニコ。ニコニコしているお兄ちゃんを見た娘もニコニコ。小さな車が完成しただけで家族は仲良し

 僕が小さい時、雨音を聞きながら年の離れた兄とプラモを作った。そして、ニッパーの握り方や接着剤の使い方もそこで教わったっけ。あの時は二人ともすごく集中していて、聞こえるのは雨音だけだった。
 今日の景色は、まるで昔の自分が通った景色みたいだった。雨音と子供たち、オーナーズクラブ「’71 ホンダZ 後期型」が僕のプラモの原体験を思い出させてくれた。ありがとうの思いを込めて、かわいく作って息子にプレゼントしようっと。

フミテシのプロフィール

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

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